せん妄予防のコツ
静岡がんセンターの実践
入院治療中のせん妄の発生は、患者さん、家族、病棟スタッフに多くの負担がかかり、全国の病院で大きな課題となっている。
せん妄は多種多様な状態像を示し、それが経時的に変化する。さらに原因・誘因も多岐にわたるため、せん妄に関するエビデンスの蓄積は不十分である。そのため、せん妄対策については大雑把な方向性は共有されているものの、現場レベルで病院ごとに試行錯誤しながら対策に取り組んでいる状況にある。
静岡がんセンターでも、せん妄対策について方針を明確化し、院内での普及に取り組んできた。それらの実践を通して、入院場面におけるせん妄の減少および軽症化が確実に進みつつあり、これまで“起きて当然”と思われていたせん妄の多くが予防可能もしくは軽症化できるようになった。
本書は、静岡がんセンターでの取り組みを詳細な実例とともに記し、せん妄にかかわる全国の病院スタッフが現場で活用できるよう、ノウハウやコツをわかりやすくまとめた実践書である。
松本晃明 編著
定価 2,970 円(本体2,700円 + 税) A5判 並製 220頁
ISBN978-4-7911-0962-3〔2017〕
Contents
【第 I 部】せん妄予防のエッセンス ~静岡がんセンター(SCC)の取組~
松本晃明,佐藤哲
第1章 せん妄とは
第2章 高齢入院患者への不眠対応
第3章 不眠を切り口としたせん妄予防「睡眠マネジメント」
第4章 「睡眠マネジメント」がまとまるまで
第5章 高齢入院患者の「睡眠マネジメント」
第6章 せん妄予防のコツ
【第 II 部】みんなで取り組むせん妄予防
上條朋之,河野由佳子,鈴本小百合,坪佐恭宏,妻木浩美,中川雅裕,坊岡英祐
第7章 看護の立場から~せん妄カンファレンスを含めて~
第8章 外科医の立場から
第9章 リエゾンナースの立場から
【第 III 部】せん妄発生後の対応
松本晃明,佐藤哲
第10章 せん妄発生時に何を考えるか
第11章 過活動型せん妄の薬物療法
第12章 内服困難時のせん妄対応
第13章 せん妄発生時の対処のコツ
資料編 静岡がんセンター「不眠マニュアル」