一人の人の中に複数の人格が存在するとはどういうことなのでしょうか。かつては「多重人格障害」と呼ばれた病は,誤解を招く用語であるとして現在の世界的な診断基準では診断名として「解離性同一性障害」(略称:DID)と呼ばれていますが,その性質からいまだに非常に多くの誤解を持たれがちであると言えるでしょう。本書は,解離性同一性障害の豊富な臨床経験をもつ著者らが,当事者やご家族のために,主人格や人格交代などの専門用語を使いながらも,事例を交え,時には脳のメカニズムにも触れながらわかりやすく解説しています。解離性障害の患者さんにこれから出会う方々や,これからどのように治療していこうかと思案されている治療者の方々にも役に立つでしょう。多くの疑問に答えるQ&Aも必見!
岡野憲一郎,
松井浩子,
加藤直子,
久野美智子 著
データ形式:フィックス
(画像形式)
定価
2,640 円(本体2,400円 + 税)
Contents
イントロダクション
第1章 解離の患者さんとの出会い方
第2章 解離を生み出すトラウマ
第3章 治療構造のあり方とその工夫
第4章 家族への対応と連携
第5章 自傷行為と解離
第6章 「黒幕さん」といかに関わるか
第7章 治療による変化とその意義
付録
付録1 黒幕人格が形成される過程について
付録2 座談会――「人格の統合」は治療の目標だろうか?
付録3 コラム 文化結合症候群との関連
付録4 解離の臨床Q&A