「精神科治療の目標は『幸せ度を上げる』ことに置くべきである」--精神論でなく合理的理由からこう主張する著者は、多くの患者を長期間継続診療し、また地域や司法とも深く関わってきた。その豊富な臨床経験と先達からの学びを基に綴られる本書は、精神科医療を繋ぐ貴重なバトンである。本書は具体的な症例を挙げ場面ごとの対処法・ヒントを著す各論と、臨床医としての根幹を育むため必要な知識・素養等を著す総論から成る。非言語的サインにどう気づく? 生活行動と症状の関係は? 面接でわかり合うための表現は? 等々、精神科臨床に携わる専門職なら心得ておくべき知見が満載。世代を問わず読み継いでいきたい一冊。
太田敏男
データ形式:フィックス
(画像形式)
定価
3,850 円(本体3,500円 + 税)
Contents
総論編
第Ⅰ章 私の臨床経験の由来―話の批判的吟味のために―
第Ⅱ章 精神科の研修や修行で大事なこと
第Ⅲ章 健康とは? 良い適応とは?―治療目標との関連―
第Ⅳ章 社会の中での精神科医療の位置づけ
第Ⅴ章 精神科医としての知識・素養
第Ⅵ章 診断関連
第Ⅶ章 診断から治療へ―「診療の意思決定モデル」という統合的枠組み―
第Ⅷ章 治療関連
各論編
第Ⅰ章 総論参照のための総合的症例
第Ⅱ章 対処のヒント―場面別に―