がんの年余の経過の中では、いくつかの分かれ道や迷い道がある。とりわけ治療の中止を告げられたあとの経過は、ご本人や家族が迷いを深める道のりとなる。これからどんなことが起こり、また自分が今どのあたりにいるのか。長年緩和ケアで患者さん・家族に寄り添ってきた著者が、医学的・実存的な視点から、病の経過や予後に対する思い込みや誤解を解き、ご本人が最期の時まで与えられた人生を生きることができるようにガイドする。病に対する正しい考え方、抗がん剤や麻薬についてのわかりやすい解説、倦怠感・痛みなどの辛い症状に対する具体的な対処など、これ以上ないきめ細やかな内容は、ご本人・家族のみならず、医療者や介護者、緩和ケアのスタッフも必読の書。
齊藤英一 著
データ形式:フィックス
(画像形式)
定価
1,980 円(本体1,800円 + 税)
Contents
第1章 旅のはじめに
- これからの旅程
- 大まかな見通しを知ること
- 自分の現在地を知る
- 坂道を下る
- 坂道のどこにいるのか
- 自分のいる場所から
- 良い死とはなにか
- 伝えること、伝えられること、伝えておくこと
第2章 旅の途中で起こること
- がんと診断されたら
- 病期・ステージ別の視点から現在地を知る
- 抗がん剤とがんについての知識
- 日本の病院と医療の仕組み
第3章 旅の途中で出会うこと
- 緩和ケアってなに?
- つらい症状についての考え
- 全人的な苦痛について
- 療養の場について
第4章 旅のおわりに
- お別れが近づいた徴
- お別れのとき
- お別れの後で
第5章 心身の苦痛を和らげるための薬剤とケアについての知識
- (非ステロイド消炎)鎮痛剤とアセトアミノフェン
- オピオイドについて
- 鎮痛補助薬
- 抗精神病薬
- 睡眠剤
- ステロイド剤
- 輸液、中心静脈栄養、経管栄養
- 輸血、血液製剤
- 代替療法
- 眠ってやり過ごすこと(苦痛緩和のための鎮静)
第6章 いい人生だったと言えるために