精神科医にとってのてんかん診療はどうあるべきか? これはてんかんを専門とし精神病理学に通じた著者が問い続けてきたテーマでもある。てんかん診療は、現在、小児科、精神科、脳神経内科、脳外科が主に関わっているが、それぞれの科から見えるてんかん診療の姿は大きく異なっている。本書は、精神科におけるてんかん診療の視点から、医師が身につけたい技能、リエゾン場面において必要とされる知識など、著者ならではの豊富な臨床経験によって導きだされた実践的内容の論考を収載。てんかんをサブスペシャルティとして担う方はもちろん、この領域の臨床に関心をもつすべての人に向けて、てんかん診療のスキルを身につけることの魅力を存分に伝える。
兼本浩祐 著
データ形式:フィックス
(画像形式)
定価
2,860 円(本体2,600円 + 税)
Contents
はじめに
第1部 精神科医は働く場面に応じてどの程度のてんかんの知識を必要とするか
精神科医がてんかんをみるための標準的知識と技能
精神科医が専攻医として身に着けるべきてんかんの薬物療法
第2部 リエゾン場面において必要とされるてんかんの知識
抗てんかん薬のプラスとマイナスの向精神作用―全体の俯瞰―
てんかんにおける抑うつ状態に抗うつ剤は有効か―一つの小さなclinical questionからEBM について考える―
てんかんにおける不安とその対応
トランジション―てんかんの場合―
昏迷と非けいれん性てんかん発作重積状態“non-convulsive status epilepticus”
非けいれん性発作重積状態―NCSE概念再構築のすすめ―
第3部 精神科的てんかんおよびてんかんに関連する精神科における診療
「てんかん性格」の全体的展望
てんかんにおける人間関係
心因性非てんかん性発作
第4部 歴史的展望
本邦の精神科領域における抗てんかん薬使用の歴史と現状