月刊
臨床精神薬理 第15巻10号
2012年10月
《今月の特集:高齢発症の気分障害の増加と認知症》
近年、気分障害圏の患者が増加しており、うつ病から認知症へ移行する症例や、認知症の危険因子としてうつ病が報告されている。しかし、認知症の初期症状としての気分障害も多く、鑑別が困難で治療に難渋するなど、従来の仮性認知症の概念だけでは説明できない症例もある。そこで本特集では、高齢の気分障害患者の特徴、治療などについて再考した。
ISBN:978-4-7911-5180-6
【展望】
- うつ病は認知症の危険因子となるのか
馬場 元,新井 平伊
【特集】 高齢発症の気分障害の増加と認知症
- 高齢の気分障害患者の特徴
堀川 直希,中村 倫之,富田 克 他
- 高齢うつ病者の薬物療法――認知症治療薬と抗うつ薬との併用
中村 祐
- 高齢者の躁病・躁状態:鑑別の留意点と二次性躁病
新里 和弘
- 高齢うつ病者のうつ状態に対する対応――非薬物療法を中心に
下田 健吾,木村 真人
- 高齢者における気分障害の診断と治療――器質因との関連
切目 栄司,辻井 農亜,松尾 順子 他
シリーズ
- そこが知りたい 薬物療法Q&A
篠崎 隆央,尾関 祐二,下田 和孝
原著論文
- RLAIの12ヵ月間における処方・臨床評価の推移と患者意向の変化(多施設共同研究)
石垣 達也,青山 洋,熊田 貴之 他
- Paliperidone徐放錠の有効性・安全性・患者主観的評価の検討――多施設における8週間短期評価の報告
青山 洋,熊田 貴之,石垣 達也 他
- 精神科病院における28ヵ月間のrisperidone持効性注射薬使用経験――入院治療に関するmirror-image解析を含めて
小林 和人
症例報告
- Blonanserin 1日1回十分量投与の有用性
吉川 憲人
- 潜在性鉄欠乏の治療にて陰性症状が改善した維持期統合失調症の2例
吉村 文太
総説
- 化学的に見た神経伝達の機作と中枢神経作動薬の薬理
諸岡 良彦,長嶺 敬彦,渡部 勇信 他
私が歩んだ向精神薬開発の道――秘話でつづる向精神薬開発の歴史
- 第15回 非benzodiazepine系睡眠薬の開発物語――その1 Zopicloneの果たした役割と続いて開発されたeszopiclone
村崎 光邦
講演紹介
- Depression and Panic Summer Web Conference
抗うつ薬非反応例に対する対策――作用機序に基づいた合理的治療選択
井上 猛
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