“3・11”──東日本大震災。
普門寺(陸前高田市)では震災後、身元不明の多くのご遺骨を預かり、宗派を超えた各地の寺社と共に供養をしてきた。2013年、アートセラピストや芸術家たちと協力して彫刻指導を仰ぎ、ご遺族や関係者のほか一般の方々にご参加いただいて石像500体を造る “五百羅漢制作「未来への記憶」プロジェクト”を開始。これは慰霊であるとともに、芸術療法によるグリーフ・ケアの役割をも果たした。
完成した569体の羅漢像は普門寺に奉納された仏像と合わせると約1,800体、陸前高田市で亡くなられた方の数に近い。今、羅漢像は普門寺の境内にて静かに苔むしてゆきながら穏やかに座している。本書は5年にわたったプロジェクトの軌跡を綴る。
佐藤文子、
小田部黃太、
若麻績敏隆、
熊谷光洋 監修
定価 3,080 円(本体2,800円 + 税) B5判 上製 156頁
ISBN978-4-7911-1071-1〔2021〕