不潔が怖い

強迫性障害者の手記

人より早く出社して机やキャビネットを拭きまくる。トイレから出てきた人とすれ違うこともできず、毎日家に帰ると衣服を全て取り替え、風呂に入って体がこすれて傷つくまで何度も洗い続ける……。これら不潔に対する過剰な感覚からくる「不潔恐怖」の苦しみを、著者はみずからの悲惨な体験のままに語る。同じ苦しみをもつ人のため、この病気の本当の姿を少しでも知ってもらいたいとの願いで書き綴った手記。

花木葉子著

定価 1,760 円（本体1,600円 + 税）　四六判　上製　216頁
ISBN978-4-7911-0575-5〔2005〕

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一　会社での私

汚い会社

不潔恐怖、確認行動による遅刻

服装・化粧・トイレ

新聞整理のジレンマ

模様替えの罪悪感

エレベーターの恐怖

二　日常生活の中の私

帰宅後の洗濯

電車の中

異性嫌い

クリーニング屋さんめぐり

身なりの汚れた異性への怒り

怖くて気持ちの悪い痴漢

外で遭った痴漢

汚い東京を象徴するような出来事

最も情けなかったこと

もったいなかったこと

三　職を転々とする私

出版社を辞めて無職生活に

十五分間のコンビニのアルバイト

販売員のアルバイト

東京を引き払う決心

四　田舎に戻ってからの私

最大の難関、水回り

家族との生活

職場での辛い毎日

職場のやさしい人たち

半月で辞めた建設課

五　家の中での私

外に出なくなってしまったこと

家の中での一日

家族のこと

外からの汚れ

洗濯について

六　病院での私

初めての病院

治療生活の始まり

病院に行かなくなったこと

Ｍ病院

母の献身

七　頭の中の私

「頭の便秘」

「二つの地獄」

犯罪に対する憎しみ

八　サディズムと私

サディズムへの嫌悪

テレビの中のサディズム

女性の死ぬ話

ゲイ・ムービーの世界

ミュージカルの中のサディズム

フェミニズム後進国

九　入院中の私

入院の準備

行動療法から薬物療法へ

医学生さんとの話

入院の二つだけの成果

十　外出する私

東京へ観劇に行く時

東京から帰って

美容院での出来事

家族旅行

十一　Ｉ病院と私

Ｓ先生との話

Ｓ先生の転勤とその後の変化

通院の再開

　

十二　完璧主義と私

学生時代のこと

就職してから

手洗いがやめられない

佐藤陽 著