アスペルガー症候群の天才たち (2008)(品切れ)
自閉症と創造性
本書は、天才といわれている著名な6人の歴史的人物を取り上げ、彼らが自閉症あるいはアスペルガー症候群であったことを論じている、天才と自閉症の関連を述べた病跡学の書である。しかし、本書は、病跡学の本にとどまらず、人間の持つ創造性とは何か、その創造性を高めるのに自閉症であることがどのように影響を与えているかを、個々の事例を基にして探求している。さらに本書では、もっと大胆に自閉的思考がないと人類はこのような文明を築けなかったのではないか、と主張する。自閉症は、障碍ではなく、特有の認知スタイルを持った人類の発展に必要な存在であり、そうであるならば、自閉症の進化論的意味が問われなければならないことになる。このことも本書の論点の目玉である。
フィッツジェラルド, M.著、
石坂好樹、
花島綾子、
太田多紀 訳
定価 3,630 円(本体3,300円 + 税) 四六判 上製 592頁
ISBN978-4-7911-0687-5〔2008〕
Contents
第一章 序論
第二章 診断的問題
第三章 高機能自閉症/アスペルガー症候群の心理学
第四章 ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン
第五章 キース・ジョーゼフ卿
第六章 イーモン・デヴァレラ
第七章 ウィリアム・バトラー・イェイツ
第八章 ルイス・キャロル
第九章 ラマヌジャン
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