病気じゃないからほっといて
そんな人に治療を受け入れてもらうための新技法LEAP
「私は病気ではない!」と治療をこばむ統合失調症をもつ人に、どうすれば治療を受け入れてもらえるのか。その答えが新たなコミュニケーション技法LEAPである。LEAPとは、Listen(傾聴)、Empathize(共感)、Agree(一致)、Partner(協力)の頭字語である。治療をこばむ人の話を傾聴し、共感を示し、同意し一致点を見つけ、協力関係をつくることで、治療を受け入れてもらえるようになる。本書は、LEAPの用い方を詳しく解説する。LEAPにより、治療を拒否する人も、必要な治療や援助を受け入れ、その人なりの人生の目標に向かって歩むことが可能になる。本書の初版は、2000年に米国で出版され、2004年に日本語訳が出版された(『私は病気ではない』星和書店刊)。本書は、初版の内容を大幅に充実させた10周年改訂版の翻訳である。重度の精神疾患をもった人への我が国における治療と支援の取り組みが充実し、再入院が減少し、ご本人やご家族の目標達成に役立つことを願って本書が翻訳出版された。
ザビア・アマダー 著
八重樫穂高、
藤井康男 訳
定価 2,640 円(本体2,400円 + 税) 四六判 並製 356頁
ISBN978-4-7911-0931-9〔2016〕
Contents
パート I 病気を認めないこと、そこに隠された真実
第1章 よくある問題
第2章 関わりと治療の継続
第3章 問題の根源 病態失認(Anosognosia)についての新たな研究
パート II LEAPを使って支援する
第4章 正しいやり方と誤ったやり方
第5章 LEAPを身につける
第6章 傾聴
第7章 共感
第8章 一致
第9章 協力
パート III 警戒を続け、そして次のステップへ
第10章 警戒を緩めないこと:アドヒアランス不良問題
第11章 まず行うべき治療
第12章 強制的治療
第13章 どのようにしたらいいのか
第14章 強制的治療の後にどうするのか
第15章 驚くべきこと
パート IV LEAPの理論、研究成果、そして実践的アドバイス
第16章 LEAPの理論と研究成果
第17章 精神病に心理療法を行うべきか
第18章 暴力と精神疾患
第19章 DSM-5と病態失認
第20章 Henry
関連書