本書は、双極性障害の親をもつ子どもに向けて書かれた絵本です。
双極性障害であるお母さんが子どもに読み聞かせをしたり、お父さんなど周囲の人が子どもに読み聞かせをしたりすることをおすすめします。この病の親をもつ子どもに対する心理的ケアに役立つでしょう。
子どもが親の病状を自分のせいだと思って傷ついたり、自尊心を低下させたりすることを防ぐためには、病気についての正しい理解が不可欠です。本書は、子どもの視点からみた物語になっているため、子どもにとって親しみやすく、この病気についても理解しやすくなっています。また、子どものための社会資源を具体的に紹介して、困ったときにはSOSを出すこと、どのようにしたら支援を得ることができるかを具体的に示したため、子どもへの心理的ケアだけでなく、実際の支援にも役立ちます。
患者さんの子どもを含むご家族だけでなく、その周囲の方々、医療従事者や学校関係者など、支援者の方にも読んでほしい一冊です。
肥田裕久 監修
雨こんこん 文
はにゅうだゆうこ 絵
定価 1,320 円(本体1,200円 + 税) B5判 上製 76頁
ISBN978-4-7911-0949-4〔2017〕