自閉スペクトラム症の理解と支援
子どもから大人までの発達障害の臨床経験から
自閉スペクトラム症は、同じ発達障害でもあるADHDと比べて、理解されにくい。「そそっかしい」とか「粗忽」とか一般にわかりやすい言葉で特徴を言い表せるADHDと異なり、分かりやすく表現することが難しい。本書はこの理解しづらい自閉スペクトラム症を、全く何も知らない初学者でも理解できるように解説する。
本書の著者は、乳幼児期から成人期に至るまでの発達障害を持つ人と二十余年にわたってかかわり続けているという、類を見ないほど幅広い臨床経験を積んできた。この貴重な経験を後進の人たちに還元したいという強い思いから本書を出版することとなった。
発達障害をもつ人の特有の考え方を理解し、支援する際に重視すべき実践のポイントを実感できるよう、多くの事例やたとえ話が盛り込まれている。本書は、自閉スペクトラム症について著者が日々話している教育的話題の総まとめである。
また、付録のDVDは、豊富なスライドで分かりやすく、聴いて楽しい著者の講義場面を収録したものである。
本田秀夫 著
定価 1,980 円(本体1,800円 + 税) 四六判 並製 248頁(DVD付き)
ISBN978-4-7911-0971-5〔2017〕
Contents
第1章 自閉スペクトラム症とは?
第2章 自閉症から自閉スペクトラム症へ
第3章 社会生活で問題になること
第4章 自閉スペクトラム特有の感じ方,考え方
第5章 自閉スペクトラムの人にみられやすい「二次障害」
第6章 生来性の「変異」として理解できる自閉スペクトラム
第7章 支援の考え方:幼児期~思春期
第8章 こだわりへの対応
第9章 早期発見と家族の支援
第10章 集団生活における配慮
第11章 支援の考え方:青年期~成人期
第12章 「二次障害」が出てしまったら……
第13章 就労・職業生活の支援
関連書
発達障害の精神病理II
内海健、清水光恵、鈴木國文 編著
青木省三、兼本浩祐、黒木俊秀、萩原徹也、平井正三、山下祐一 著