EMDRツールボックス
複雑性PTSDと解離の理論と治療
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、患者への負担が少なく,短期間で成果を得られる安全な手法としてエビデンスのある心理療法である。本書は,長い年月をかけて蓄積されてきた臨床知見に基づき,複雑性PTSD(重篤な愛着障害,解離性パーソナリティ構造,根深い心的防衛)治療の概観を提示。標準EMDRに対する理解をさらに深め,臨床に役立つ追加的治療ツールを授けてくれる。パーソナリティ障害,嗜癖障害,児童虐待被害者など,複雑な問題を抱えるクライエントの治療セッションを組み立てるのに役立つだろう。PTSD以外にも治療対象の拡大が期待されるEMDRを使いこなし,人々によりよい変化をもたらしたいEMDR治療者必携の書。
ジム・ナイプ 著
菊池安希子,
大澤智子 訳
定価 4,950 円(本体4,500円 + 税) A5判 並製 380頁
ISBN978-4-7911-1014-8〔2019〕
Contents
第 I 部 複雑性PTSD治療のための適応的情報処理フレームワーク
第1章 複雑性PTSD患者にEMDRを使用する際に必要となる理論的枠組みと追加の「ツール」
第2章 外傷性記憶とEMDR,二重注意が可能なとき
第Ⅱ部 心的防衛を解消するための適応的情報処理手法
第3章 心的防衛を治療するための適応的情報処理モデル
第4章 回避に対するEMDR
第5章 理想化防衛をターゲットにするとき
第6章 適応的情報処理手法を用いた嗜癖障害の治療
第Ⅲ部 解離性パーソナリティ構造を治療するための適応的情報処理モデル
第7章 適応的情報処理モデルにおける解離の治療
第8章 準備段階の基本的枠組み
第9章 準備:楕円を使った言語
第10章 準備:描画
第11章 愛情のこもったまなざし:1つのパートが別のパートを「見つめる」こと
第12章 恥による防衛を治療する
第13章 CIPOS手続き
第Ⅳ部 事例
第14章 ヴェロニカ
第15章 ダグ
第16章 終わりの言葉
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