「メタ認知トレーニング」(MCT)は、認知バイアス(認知的偏り)を明らかにし、それを介入対象とする精神療法・心理教育のプログラムである。症状の背後にある認知バイアスの知識を持ち(メタ認知的知識)、セッションでそれに気づき(メタ認知的体験)、ホームワークでそれをコントロールすることで症状を改善させる。本書では、「基礎編」でMCTと認知行動療法の基礎、統合失調症やうつ病、その他の各疾患への導入について、「実践編」で様々な職種のトレーナーが日常臨床における実践法を解説する。入院・外来・デイケアなど、様々な医療場面における工夫例も満載。当事者に寄り添う支援が可能となる「MCT」を一から学ぶ入門書。
石垣琢麿 編
データ形式:フィックス
(画像形式)
定価
3,630 円(本体3,300円 + 税)
Contents
【基礎編】
第1章 メタ認知とは
第2章 メタ認知トレーニングとは:メタ認知トレーニングと認知行動療法
第3章 統合失調症のためのメタ認知トレーニング
コラム:個人用メタ認知トレーニングについて
第4章 うつ病のためのメタ認知トレーニング
コラム:D─MCTでの学びを日常生活へとつなげる工夫
第5章 強迫症のためのセルフヘルプ・メタ認知トレーニング(myMCT)
第6章 その他のメタ認知トレーニング: B─MCT・MCT─Acute・MCT─Silver
第7章 その他の認知トレーニングとの併用
【実践編】
第8章 入院環境で実施する際の工夫
コラム:入院中に実施した事例の紹介
第9章 外来や訪問で実施する際の工夫
コラム:参加者にもトレーナーにも「効く」メタ認知トレーニング
第10章 デイケアでの工夫
コラム:メタ認知トレーニングへの動機づけを高める目標設定の工夫
第11章 リワークプログラムでの工夫
コラム:リワークプログラムでメタ認知トレーニングが有効だった事例
第12章 臨床でのさまざまな工夫1:メタ認知トレーニングの診断横断的活用
コラム:ピアサポートグループでの実践例:精神疾患のある性的マイノリティへの応用
第13章 臨床でのさまざまな工夫2:やわらかあたま教室
第14章 専門家教育への応用
第15章 MCT─Jネットワーク:現状とその利用方法
第16章 むすび