発達障害から愛着障害へ(その1)
岡田尊司先生が新しい本を出しました。「愛着障害」光文社新書860円です。
「はじめに」を読んでいたら、私が最近言いたいことと一致していたので、掲載しておきます。BPD=8割方がAC=ほぼ(反応性)愛着障害と私は考えていますが。
対応策は「その2」として掲載します。医療従事者への警告でもありますが。
なお、反応性愛着障害の第一人者はヘネシー・澄子さんで多くの医療関係者へ影響を与えている本は「子を愛せない母 母を拒絶する子」学研1500円です。
「愛着(アタッチメント)の問題は、例えば、うつ病、アルコールや薬物などの依存症、境界性パーソナティ障害や過食症といった現代社会を特徴づける精神的なトラブルの多くにおいて、その要因やリスクファクターになっているばかりか、家族の崩壊、虐待やネグレクト、社会へ出ることの拒否、非行や犯罪といった様々な問題の背景の重要な問題のファクターとしてもクローズアップされている。さらに昨今、「発達障害」ということが盛んに言われ、それが子どもだけでなく、大人にも少なく知られるようになっているが、この発達の問題の背景には、実はかなりの割合で愛着の問題が関係しているのである。実際、愛着障害が発達障害として診断されているケースも多い。・・・どういう愛着がはぐくまれるかということは、先天的にもってうまれた遺伝子的要因に勝るとも劣らないほどの影響を、その人の一生に及ぼすのである。その意味で、愛着スタイルは「第二の遺伝子」と呼べるほどなのである。」
「パーソナリィティ障害や発達障害について、ある程度の知識をお持ちの方も、「愛着」という視野を加えることで、さらに理解が深まることと思う。直面している困難の正体が、一層はっきりと見えてくるに違いない。なぜ(彼らや彼女たちは)自分をさらけだすことに憶病になってしまうのか。なぜ人と交わることを心から楽しめないのか。なぜ本心を抑えてでも相手に併せてしまうのか。なぜ拒否されたり傷つくことに敏感になってしまうのか。」
「また、医療や福祉、教育の領域で様々な問題を抱えたケースに関わっている専門家の方々には、パーソナリィティ障害や、複雑化した発達障害を改善し、うまく対処していうためには、愛着という視点がぜひとも必要である。通常の治療や対処では改善しにくいケースほど愛着の問題が絡んでいることが多い。ある意味、これまでの働きかけがうまく機能してこなかったとすると、この視点が抜け落ちていたことによるかもしれない」