トゥレット症候群(チック)とともに
音声チックや運動チックなどの行動が顕著なトゥレット症候群は、フランスの医師ジル・ド・ラ・トゥレットの研究論文により報告され、その症状が認知されてきました。チック以外にもADHDや強迫症状といった精神疾患を伴う病気であり、診断や治療が難しい面もありましたが、近年ではハロペリドールというチックに効く薬の発見や併発する疾患の研究が進み、それぞれの症状を持つ個人に合わせた診断や治療が可能になっています。治療後は、普通の生活を送れる方がほとんどだそうで、医師やスポーツ選手として活躍されている方も多いと聞きます。
このコーナーではトゥレット症候群の病状や治療法をわかりやすく解説したもの、トゥレット症候群を患いながらもたくましく生きる人々の事例など、病気とともに生きるためのヒント、家族の方の関わり方などを紹介しています。
チックとこだわりは子どもに生じやすい傾向があり、しかもしばしば両方が同じ子どもに起こります。親の育て方が根本的な原因であると誤解されていましたが、今では生物学的な基盤があると理解されています。それを前提として、子ども全体を受けとめて発達を支援することが大切です。本特集では、チックやこだわりに有効な治療法についてやさしく紹介し、最新の生物学的知見も紹介します。
金生由紀子,宍倉久里江 特集編集
トゥレット症候群をもつ著者が、自分の症状への興味、記録映画作りを通して綴る同じ症状を持つ人々との交流、結婚と離婚など、自身の病気といかに関わり、ともに暮らしてきたかの軌跡。写真家としての顔を持つ著者の写真も掲載。
ロウェル・ハンドラー 著
トゥレット症候群(チック)とはどんな病気か、ある男の子の例をもとに解説。家庭や教育現場などの日常生活の問題、治療法や併発症の例など、トゥレット症候群のお子さんを持つご家族の方にわかりやすく説明する。
ルース・ブルーン、バーデン・ブルーン 著
トゥレット症候群(チック)の病状、診断、治療をわかりやすく紹介。患者さんやそのご家族の声、家庭での対応方法Q&Aなど、幅広い角度から、トゥレット症候群(チック)を分析する。
金生由紀子、高木道人 編