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精神科治療学 第18巻増刊号

精神科救急ガイドライン

2003年11月

精神科救急ガイドライン精神科救急の現場は,迅速かつ的確な治療対応が求められるため,ガイドラインがもっとも要請される領域であると考えられる。本増刊号の特色は、従来の成書がいきなり「状態像ごとの治療的対応」から記載が始まるものが多いことを踏まえ、救急においてもっとも重要なものでありながら記載が少なかった「状態像の診分け」に1章を割き(第1章)、受診動機を出発点にどのような鑑別診断が 行われていくかを、症例記載も入れて詳述する点にある。日本の精神科救急の第一線で活躍する執筆陣を揃え、現時点における精神科救急のガイドラインとして最良・最高の内容を誇る。
編集:「精神科治療学」編集委員会 B5判 並製 208頁 通巻199号

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発刊にあたり 中安信夫
     
第1章 状態像の診分け 
 
   
1.訳のわからないことを言って、暴れている  八田耕太郎
2.騒いで、しゃべりまくっている  大塚公一郎 加藤敏
3.怒りっぽく、攻撃的である  兼本浩祐 吉田典代 新井啓之
4.居ても立ってもおられない  下村昇 市田勝
5.ぼおっとして、戸惑っている  細川清 小林建太郎 李陽明
6.動かず、何も言わない  日野原圭 加藤敏
7.「死ぬのではないか」と不安におののいている、息をハアハアしている  松丸憲太郎 上島国利
8.けいれんしている  兼本浩祐 大島智弘 深谷修平
9.記憶がない  兼本浩祐 三宅芳子 渡辺雅子
10.手首・前腕を切った  福島春子 中井祥博 岩尾俊一郎 山口直彦
11.大量の薬を飲んだ  神尾聡
12.(抗精神病薬を服用中の患者が)体が突っ張っている,眼が吊り上がっている  山口直彦 中元幸治
13.(向精神薬を服用中の患者が)グッタリとして、顔面蒼白であるが高熱を発している  西嶋康一
    
第2章.精神科救急に必要な検査と処置
 
    
1.検査   
1)種類と手技  神尾聡
2)検査値の読み方  八田耕太郎
2.処置   
1)鎮静法  八田耕太郎
2)身体拘束  神尾聡
3)電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)  中村満 一瀬邦弘 島陽一 奥村正紀 
関口佳穂子 道行隆 今村達弥 清水研 
山田建志 竹林宏 益富一郎 清水恵子
    
第3章. 状態像ごとの治療的対応
 
    
1.緊張病性興奮  八田耕太郎
2.幻覚妄想状態  八田耕太郎
3.意識変容状態(せん妄や夢幻-錯乱状態)  八田耕太郎
4.躁状態  大塚公一郎 加藤敏
5.てんかん性不機嫌症  兼本浩祐 森真琴 大島智弘
6.不安焦躁状態  下村昇 市田勝
7.困惑状態,アメンチア,もうろう状態,発作性昏迷
  ictal stupor(spike-wave stupor)
  細川清 小林建太郎 李陽明
8.昏迷状態  日野原圭 加藤敏
9.パニック発作・過換気症候群  松丸憲太郎 上島国利
10.けいれんおよびけいれん発作重積状態  兼本浩祐 大島智弘
11.一過性全健忘  三宅芳子 兼本浩祐
12.全生活史健忘  兼本浩祐 多羅尾陽子
13.リストカット  福島春子 中井祥博 岩尾俊一郎 山口直彦
14.大量服薬  神尾聡
15.アカシジア  下村昇 市田勝
16.急性ジストニア,眼球上転発作  山口直彦 青木信生
17.悪性症候群  西嶋康一
    
第4章.精神科救急に必要な法的あるいは実務上の知識
 
    
1.受診希望あるいは相談の電話に対する対応   
1)トリアージュ機能とカウンセリング機能  平田豊明
2)大量服薬の場合  上條吉人
2.精神科救急の実務に関わる法の運用  平田豊明
3.患者・家族に説明すべきこと―精神科救急とインフォームドコンセント―  白石弘巳
4.精神科救急と刑事司法の接点―その司法精神医学的課題と対策―  武井満
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