《第31巻増刊号:統合失調症のベストプラクティス》
現時点での統合失調症治療の総まとめ。全部で85項目を、現場で活躍している80名以上の著者が執筆。リカバリー重視、病院から地域へという流れは今後ますます拡大し、一方でさまざまな診断技術や新規抗精神病薬、また心理社会的治療のツールや技法が開発され、今後も開発が続くと思われる。本増刊号は現時点で統合失調症の臨床現場で導入されている最新の治療や支援を簡潔に解説した決定版。
編集:「精神科治療学」編集委員会 B5判 並製 436頁 通巻367号
JANコード:4910156081067
発刊にあたり | 渡邉博幸 | |||
第Ⅰ部 総論 | ||||
1. |
統合失調症の概念 |
大森哲郎 |
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2. | 統合失調症の社会的コスト | 佐渡充洋 | ||
3. | 統合失調症におけるレジリエンス─その概念と臨床的意義─ | 水野裕也 |
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第Ⅱ部 各論 | ||||
1)画像検査と評価 | ||||
1. | MRI,SPECTを用いた統合失調症の脳画像研究について | 孫 樹洛,宮田 淳,村井俊哉 | ||
2. | NIRS(Near-Infrared Spectroscopy:光トポグラフィー検査) | 朴 盛弘,兼子幸一 | ||
3. | 分子神経イメージング | 久保田 学,須原哲也,山田真希子 | ||
4. | 症状評価尺度 | 鈴木健文 | ||
5. | 統合失調症の抑うつ状態の評価 | 兼田康宏 | ||
6. | 認知機能検査の方法と評価①─BACS,MATRICS─ | 兼田康宏 | ||
7. | 認知機能検査の方法と評価②─UCSD日常生活技能簡易評価尺度(UPSA-B)─ | 住吉チカ,住吉太幹 | ||
8. | 生活機能評価について | 齋藤深雪 | ||
2)診療計画 | ||||
1. | 伝統的診断と操作的診断 | 針間博彦 | ||
2. | 鑑別診断の進め方─急性精神病状態(器質性,症状性精神障害を含む)の鑑別を踏まえて─ | 荒井 宏,横山 伸,鷲塚伸介 | ||
3. | 精神保健福祉法に基づく入院形態の決定 | 平田豊明 | ||
4. | 診療計画とクリニカルパス | 藤田 潔 | ||
3)薬物療法の進歩と課題 | ||||
1. | 薬物の選択方法 | 稲田 健 | ||
2. | 統合失調症治療における抗精神病薬の用量設定 | 稲垣 中 | ||
3. | 統合失調症を対象とした臨床試験の特徴と結果の解釈について | 中林哲夫,猿田克年 | ||
4. | 増量・切替の方法 | 八田耕太郎 | ||
5. | 減量・減薬の必要性と薬剤師との協働 | 吉尾 隆 | ||
6. | 抗精神病薬の減薬プログラム | 山之内芳雄 | ||
7. | 抗精神病薬は中止可能か?投与間隔は延ばせるか? | 内田裕之 | ||
8. | 服薬アドヒアランスの維持 | 内野俊郎 | ||
9. | ベンゾジアゼピン静注のリスク管理─2016年アップデート─ | 石川博康 | ||
10. | ドパミン過感受性精神病─概念と治療アプローチ─ | 金原信久,伊豫雅臣 | ||
11. | Clozapine治療の現在と将来─Clozapineの有効性と地域連携「沖縄モデル」への取り組み─ | 木田直也,大鶴 卓,高江洲 慶他 | ||
4)身体管理と副作用対策 | ||||
1. | 抗精神病薬の適正使用に関する留意点 | 渡邉博幸 | ||
2. | 糖脂質代謝障害モニタリング | 久住一郎 | ||
3. | 代謝障害・慢性便秘 | 長嶺敬彦 | ||
4. | 統合失調症における肥満の疫学と,肥満に対する介入について | 高柳陽一郎 | ||
5. | 突然死と心循環系副作用 | 秀野武彦 | ||
6. | 突然死と静脈血栓・肺塞栓症 | 杉浦寿彦 | ||
7. | 抗精神病薬による高プロラクチン血症と関連する有害事象 | 三浦元太郎,岸本泰士郎 | ||
8. | 抗精神病薬による脳波異常,けいれん発作 | 菊池結花,清水徹男 | ||
9. | 新規抗精神病薬における錐体外路系症状 | 山本暢朋,稲田俊也 | ||
10. | 悪性症候群の診断と治療 | 和田 健 | ||
11. | 多飲水・水中毒の治療 | 佐藤創一郎 | ||
12. | NIDS(neuroleptic-induced deficit syndrome) | 上田 諭 | ||
5)心理社会的治療 | ||||
1. | 心理社会的治療総論 | 池淵恵美 | ||
2. | 治療同盟の作り方 | 野間俊一 | ||
3. | 病名告知と疾病教育について | 古茶大樹 | ||
4. | 病識欠如とその対応 | 根本豊實 | ||
5. | 統合失調症治療におけるShared Decision-Making | 青木裕見,渡邊衡一郎 | ||
6. | 早期警告サイン(Early warning signs)─Early Signs Scale(ESS)日本語版尺度の紹介─ | 橋本(小市)理恵子,宮本有紀,岡崎祐士 | ||
7. | モバイルを用いた再発予防プログラム | 小松英樹,伊豫雅臣 | ||
8. | 暴力リスクの把握と対応─包括的暴力防止プログラム(Comprehensive Violence Prevention and Protection Programme:CVPPP)から─ |
下里誠二,木下愛未 | ||
9. | アンガーマネジメント | 今村扶美 | ||
10. | 統合失調症の認知行動療法─概要・現状と課題について─ | 山崎修道 | ||
11. | 認知機能リハビリテーション | 岩田和彦 | ||
12. | 作業療法・退院可能性アセスメント | 中川与四郎 | ||
13. | 家族心理教育・家族支援 | 白石弘巳 | ||
14. | 当事者活動 | 加藤真規子 | ||
15. | Illness Management and Recovery(IMR:疾病管理とリカバリー) | 吉見明香,加藤大慈,藤田英美他 | ||
16. | WRAP─ピア主導のリカバリーツール─ | 坂本明子 | ||
17. | 統合失調症に対するオープンダイアローグ(開かれた対話)の有効性について | 斎藤 環 | ||
18. | 行動制限最小化の取り組み方─監査システム,データ利用,当事者参加─ | 杉山直也 | ||
19. | 長期在院の現状と対策 | 河野稔明 | ||
20. | 長期入院者の退院支援・地域移行支援 | 石川かおり | ||
21. | ACT(Assertive Community Treatment)の現状と課題 | 西尾雅明 | ||
22. | 精神科訪問看護 | 萱間真美,角田 秋,中嶋秀明 | ||
23. | 就労支援①精神障害者就労支援の現状と課題 | 田川精二 | ||
24. | 就労支援②IPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)援助付き雇用 | 中谷真樹,重廣泰世 | ||
6)関連法規・地域精神保健福祉連携システム・啓発活動 | ||||
1. | アメリカで生まれたハウジングファーストが成果を上げる理由とその方法─社会的排除と生活困窮への支援─ | 森川すいめい | ||
2. | 統合失調症学生の就学支援 | 武田隆綱 | ||
3. | 地域の社会資源の利用/相談支援/ケアマネジメント | 門屋充郎 | ||
4. | ケアマネジメントネットワーク | 佐竹直子 | ||
5. | 自治体保健行政の役割 | 野口正行 | ||
6. | 行政・職場・学校からの相談に対して | 浅見隆康,大舘実穂 | ||
7. | 緊急避難としての「措置移送」とそれを補完する予防的介入について─群馬県における行政型アウトリーチの実践と課題─ | 芦名孝一 | ||
8. | 「入院患者のための個別相談」および「精神科病院への訪問活動」から考える権利擁護システムの構築に向けて | 上坂紗絵子 | ||
9. | 司法精神医学と心神喪失者等医療観察法 | 五十嵐禎人 | ||
10. | 精神疾患への早期支援,偏見軽減を目的とした学校現場での啓発・支援活動 | 小池進介,山口創生,小塩靖崇 他 | ||
11. | 精神障害者に関するアンチスティグマについて | 宇田川 健 | ||
7)身体科医療との連携・協働 | ||||
1. | 統合失調症と身体科入院 | 赤穂理絵 | ||
2. | 統合失調症者の母性を支える | 清野仁美,湖海正尋,松永寿人 | ||
8)統合失調症との類縁/鑑別病態再検討 | ||||
1. | 統合失調症と抗NMDA受容体脳炎との鑑別 | 筒井 幸,神林 崇,田中惠子 他 | ||
2. | 統合失調症“様”の異質性について | 田中伸一郎 | ||
3. | 統合失調型パーソナリティ障害─境界例問題を再考する─ | 喜多洋平,牛島定信 | ||
4. | 統合失調症の早期介入(初回エピソードとARMS) | 根本隆洋,齋藤淳一,内野 敬 | ||
5. | 統合失調感情障害 | 小林聡幸 | ||
6. | 非定型精神病 | 桂 良輔,金沢徹文 | ||
7. | 醜形恐怖(身体醜形障害) | 松永寿人,橋本 彩,向井馨一郎 | ||
8. | 短期精神病性障害と統合失調症様障害について | 須賀英道 | ||
9. | 高齢発症ケースの考え方 | 船山道隆 | ||
10. | 神経発達症群との鑑別/併存 | 本田秀夫 | ||
事項索引 |