ロボットに愛される日
AI時代のメンタルヘルス
世界は常に変化し続ける。ロボット、AI、ヴァーチャルリアリティ──かつてSFの存在だった対象(オブジェ)=モノたちは、今や私たちの生活の一部である。
人間が受け入れやすいよう工夫を凝らされた外見を持ち、人工的共感性(エンパシー)をも搭載されたロボットやAI。こうした最先端のモノたちは人間にとって、仲間に求める共感、道具に求める機能、そしてイメージ通りの存在であれ、と願う普遍的な欲望を満たすパートナー的存在となりつつある。私たちはそれらを正しく“道具(ツール)”として使うことができるだろうか?本書は、フランスの著名な精神科医が、人間の心理・行動・文化を見つめ直し、対象(オブジェ)=モノに対する認識を冷静に把握できるよう導く。私たちが現代社会を生き、高齢者をケアして子どもたちを育てるうえで必須のリスクヘッジ指南書。
セルジュ・ティスロン 著
阿部又一郎 訳
定価 2,970 円(本体2,700円 + 税) 四六判 並製 276頁
ISBN978-4-7911-1097-1〔2022〕
Contents
『ロボットに愛される日―AI時代のメンタルヘルス―』推薦文――日本語版刊行に寄せて
日本語版序文:ロボットはポストコロナ時代のヒーローか?
序 章 老婦人と魅惑的な王子
第1章 ロボットと感情と私
第2章 人工エンパシーの礼賛と廃退
第3章 ロボットと人間――「そっくり」から「そのもの」へ
第4章 対象と結びつける曖昧な欲望
第5章 「もの」の力
第6章 何でもするロボット
第7章 神の似姿、預言者的イメージ
第8章 「人間味ある」ロボットの擁護
終 章
解説――訳者あとがきに代えて
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