認知療法・認知行動療法事例検討ワークショップ(2)
認知行動療法(CBT)の理論は、明快で非常に常識的である。しかし、目の前のクライエントにCBTをどのように活かせばよいのかということは、初学者にとって最も学びづらい部分である。書籍などによって、狭義の技法のハウツーや、協同的実証主義やソクラテス質問法、セッションの構造化など、CBTの基礎的な要素を知識として理解することは可能であるが、「どのように実践するか」を習得したことにはならない。臨床の現場でCBTを使えるようになるためには、まさに現場の事例から学ぶ必要がある。そこで計画されたのが「認知療法・認知行動療法事例検討ワークショップ」であり、本書はその記録をまとめたものである。「現場で使えるCBTを習得したい」人にとって必読の書である。
伊藤絵美、
初野直子、
腰みさき 著
定価 3,080 円(本体2,800円 + 税) A5判 並製 292頁
ISBN978-4-7911-0724-7〔2009〕
Contents
第1章 事例1:社会不安障害に対する認知行動療法フルパッケージの適用
—回避に対する問題解決法を中心として—
1-1 はじめに
1-2 事例の概要
1-3 導入
1-4 事例定式化と技法の実践—アセスメントから技法の選択まで
1-5 陪席者コメント(その1)
1-6 グループ討議と質疑応答(その1)
1-7 技法③:問題解決法
1-8 陪席者コメント(その2)
1-9 グループ討議と質疑応答(その2)
1-10 技法④:注意分散法
1-11 技法⑤:認知再構成法
1-12 技法⑥:コミュニケーションスキル練習
1-13 フォローアップセッションから終結まで
1-14 事例全体のまとめと考察
1-15 陪席者コメント(その3)
1-16 グループ討議と質疑応答(その3)
第2章 事例2:職場での人間関係ストレスに対する認知行動療法の適用
—回数限定でのアセスメント,問題同定,目標設定—
2-1 はじめに
2-2 事例の概要
2-3 導入
2-4 アセスメント
2-5 グループ討議と質疑応答(その1)
2-6 問題の同定と目標の設定
2-7 事例全体のまとめと考察
2-8 グループ討議と質疑応答(その2)
第3章 事例3:夫婦問題を主訴とするクライアントへの認知行動療法の適用
—構造化,問題のプロセス分析,家族面接を中心として—
3-1 はじめに
3-2 事例の概要
3-3 導入
3-4 アセスメント
3-5 問題の同定
3-6 目標の設定および「技法①:リラクセーション法」の導入
3-7 技法②:認知再構成法
3-8 グループ討議と質疑応答(その1)
3-9 アセスメント(再)
3-10 家族相談①
3-11 問題の同定と目標の設定(再)
3-12 問題のプロセス分析
3-13 家族相談②
3-14 プランニング
3-15 フォローアップ
3-16 グループ討議と質疑応答(その2)
3-17 事例全体のまとめと考察
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