動機づけ面接法の適用を拡大する:心理的問題と精神疾患への臨床適用
問題飲酒行動の治療法として開発された動機づけ面接法は、アルコール依存症の治療の世界にとどまらず、薬物乱用、ギャンブル、摂食障害、不安症、慢性疾患の管理、など様々な問題に対してももちいられるようになった。本書は、このような現状を鑑みて、様々な心理的問題と精神疾患の治療で動機づけ面接がどのように応用されているかを紹介する。
帰還兵のPTSDの治療、うつ病の治療、摂食障害の治療、ギャンブル依存の治療、統合失調症と服薬アドヒアランスの問題、などで動機づけ面接がどのようにもちいられているか、各現場から報告する。またスウェーデン刑務所でMIをもちいて、再犯率が劇的に下がった事例も興味深い。MIが様々な形で受け入れられつつある今日、本書は、日本における動機づけ面接法の様々な臨床場面への応用について、新しい視点を提供する。
ハル・アーコウィッツ、
ヘニー・A・ウェスラ、
ウイリアム・R・ミラー、
ステファン・ロルニック 編
後藤恵 訳
定価 4,180 円(本体3,800円 + 税) A5判 並製 496頁
ISBN978-4-7911-0928-9〔2016〕
Contents
第1章 動機づけ面接法の概要:学習・適用および拡張について
第2章 不安症に対する動機づけ面接法の適用
第3章 退役軍人のPTSD症状と問題行動を変える動機の強化
第4章 治療を拒否する強迫症患者の動機づけ
第5章 うつ病の精神療法に対する準備としての動機づけ面接法
第6章 うつ病の治療に統合的枠組みを提供する動機づけ面接法
第7章 動機づけ面接法と自殺志向性
第8章 摂食障害の管理的治療における動機づけ面接法
第9章 問題/病的ギャンブリングの治療における動機づけ面接法
第10章 統合失調症患者の薬物療法アドヒアランスと動機づけ面接法
第11章 重複診断を受けている(重複障害の)患者と動機づけ面接法
第12章 矯正施設における動機づけ面接法 ―刑事司法領域において動機づけ面接法を行う試み―
第13章 心理的問題と精神疾患の治療における動機づけ面接法
関連書
動機づけ面接法
ウイリアム・R・ミラー、ステファン・ロルニック著、松島義博、後藤恵訳
動機づけ面接法実践入門
ステファン・ロルニック、ウィリアム・R・ミラー、クリストファー・C・バトラー 著
後藤恵 監訳、後藤恵、荒井まゆみ 訳