月刊 脳の科学 第25巻3号 【特集】快と不快 [図1] [図2]
[図5] [図6] [図7]
[図8]
生物社会における快と不快:ミツバチの適応戦略,社会性行動と助け合い 笹川浩美
図2ミツバチの快と不快
- 働き蜂の頭部,顔の表情はわかりにくいが,著者がみると触角の位置と大顎の開き具合などで気持ち(?)を読みとることができる. スケールの最小目盛は1mm.
- 不快の状態:働き蜂が腹部を突き上げ,尾端から針をのぞかせながら警報フェロモン(図3、化合物A)を出している.怒っているように見える.
- ミツバチの分蜂群(巣分かれ):春〜初夏にかけて,ミツバチは繁殖期をむかえる.コロニーは2つに分かれ,母親の女王蜂と約半数の働き蜂が新しい家(巣)へ引越し、娘の女王蜂と残りの約半数の働き蜂は元の家(巣)に残る.
つくば市にて撮影.
- 快の状態:仲間を呼んでいる働き蜂.分蜂群が新しい巣箱にたどり着き,後から飛来する仲間を巣の入り口で呼んでいる.腹部を突き上げ,羽ばたいて腹部末節の分泌腺(ナサノフ腺,白っぽく見える)から集合フェロモン(図3、化合物C1〜C7)を放出している.
- ニホンミツバチの巣内の様子:1つのコロニーは,1匹の女王蜂と数千匹からなる雄蜂,数千から数万匹の働き蜂から構成される.写真は,大きな木箱に自然に営巣した巣.何代にもわたる増改築を経ており大変複雑なつくりになっている.こんなに複雑でも彼女らには集団の快? 玉川大学にて撮影.