月刊 脳の科学 第25巻3号 【特集】快と不快  [図1]   [図2]   [図5]   [図6]   [図7]   [図8]  
生物社会における快と不快:ミツバチの適応戦略,社会性行動と助け合い 笹川浩美

図5働くミツバチ

A
B
  1. 内勤蜂:巣房に頭をつっこんで幼虫の世話や餌の貯蔵を行っている働き蜂と巣箱内で掃除をする働き蜂.通常は日齢の若い蜂が担当する.不快を快に変えるための行動か?
  2. 外勤蜂:ツバキの花に訪花し,花蜜や花粉などの巣内貯蔵用の食糧を調達する働き蜂.通常は老齢の蜂が担当する.訪花中の働き蜂は,脅かさないかぎり人などを突然襲って刺すことは殆どない.個体としては快の状態であるが,自分だけの餌を集めているわけではない(利他行動).採集した花蜜や花粉は,必ず巣へ持ち帰り,いったん加工して巣房に貯蔵する.集団の餌不足が解消されると考えると,集団にとっては,不快を快に変えるための行動か?