この数年の間にわが国において、新規抗うつ薬であるSSRIやSNRIが市販され、うつ病の薬物療法が新時代に入りつつある。このように気分障害の治療が大きく変化している時代において、本書は基本的かつ重要なテーマをすべて網羅した画期的なガイドラインである。気分障害治療の最前線を担う臨床家や医療関係者の座右の書として最適。
編集:「精神科治療学」編集委員会 B5判 並製 288頁 通巻185号
発刊にあたり | 樋口輝彦 | |
第1章 気分障害の診断 | ||
1.気分障害診断の実際―伝統的診断と操作的診断の意味― | 張賢徳 広瀬徹也 | |
2.気分障害の亜型と治療に対する意義 | 宮岡等 吉邨善孝 増山浩一 | |
3.DSM―(IV)に基づく気分障害の鑑別診断 | 村山賢一 染矢俊幸 | |
4.症状評価手技 | 瀬川和久 古川壽亮 | |
5.気分障害の診断分類の対比―従来診断,DSM―(IV),ICD―10― | 木村真人 下田健吾 森隆夫 遠藤俊吉 | |
第2章 気分障害治療の基本 | ||
1.治療計画(うつ病性障害) | ||
1)外来診療の実際 | 樋口輝彦 | |
2)入院治療 | 早川達郎 矢花孝文 塚田和美 | |
2.治療計画(双極性障害) | ||
1)外来治療 | 大坪天平 | |
2)入院治療 | 塩江邦彦 | |
3.薬物療法を補完する小精神療法と社会復帰療法 | 笠原 嘉 | |
4.薬物選択の留意点 | 越野好文 | |
第3章 急性期治療・回復期治療・再発予防 | ||
1.うつ病性障害 | 尾鷲登志美 上島国利 | |
2.双極性障害の急性期治療・維持療法・予防 | 渡邉昌祐 | |
第4章 サブタイプ別の治療および予防の工夫 | ||
1.気分変調症 | 酒井理惠 小澤寛樹 芦澤健 斎藤利和 | |
2.非定型うつ病 | 横山知行 | |
3.双極Ⅱ型障害 | 岡本泰昌 | |
4.混合状態 | 井田逸朗 | |
5.ラピッドサイクラー | 寺尾 岳 | |
6.季節性感情障害の治療…… | 永山治男 | |
7.SSRIとSNRIに対する治療抵抗性うつ病の治療 | 井上猛 小山司 | |
8.妄想性うつ病 | 阿部隆明 | |
第5章 治療法の解説 | ||
1.うつ病性障害の薬物療法 | 田島 治 | |
2.双極性障害の薬物療法 | 池田暁史 加藤忠史 | |
3.電気けいれん療法 | 本橋伸高 | |
4.高照度光療法 | 市村麻衣 山田尚登 | |
5.断眠療法 | 井上雄一 | |
6.精神療法―認知行動療法,対人関係療法,精神力動的精神療法,行動療法― | 中川敦夫 大野裕 | |
7.うつ病患者への森田療法…… | 北西憲二 | |
8.うつ病の家族療法 | 忽滑谷和孝 | |
第6章 ライフステージと治療の工夫 | ||
1.児童思春期の気分障害 | 笠原麻里 | |
2.中年期・退行期―職場のメンタルヘルスを含めて― | 中村純 副田秀二 | |
3.老年期 | 橋爪敏彦 葛生洋房 笠原洋勇 | |
第7章 その他特殊な問題 | ||
1.共存症(comorbidity)に対する治療的対応 | 野村総一郎 | |
2.身体疾患に伴ううつ状態/薬物によるうつ状態 | 稲見康司 前田孝弘 堀口淳 | |
3.自殺とその予防 | 高橋祥友 |