月刊

精神科治療学 第21巻10号

2006年10月

《今月の特集：初老期・老年期例の診立て―初診時に診誤らないために―》
高齢化社会を迎えつつあるわが国の精神科臨床において，高齢患者を初診時に診誤らないための正確な病態把握，適切な治療の遂行を目標にした。高齢患者に特徴的な幻覚・妄想，人物誤認症候群，うつ病などを取り上げた。

• 特集にあたって
  天野直二
• 遅発性統合失調症
  古茶大樹
• 初老期・老年期に特徴的な幻覚・妄想
  宮岡　等，井上勝夫，宮地英雄　　他
• 初老期・老年期に特徴的な人物誤認症候群（カプグラ症候群を含む）
  図2　症例のECD SPECT eZIS所見
  稲田隆史，三村　將
• 初老期・老年期うつ病の一般的な特徴―退行期うつ病の特徴を含む―
  青木公義，原田大輔，永田智行　　他
• うつ病性仮性認知症
  馬場　元，新井平伊
• 器質性うつ病
  天野直二，小林美雪
• コタール症候群など妄想を呈するうつ病
  深津　亮，松木麻妃，松木秀幸　　他
• 初老期・老年期のパニック障害と鑑別不能型身体表現性障害
  阿部隆明
• 初老期・老年期の睡眠障害
  清水徹男
• 老年期のてんかん
  兼本浩祐，田所ゆかり，清水寿子　　他
• 初老期・老年期の変性性認知症にみられる幻覚・妄想
  村山憲男，井関栄三

• 長期抗精神病薬「非告知」投薬解決における精神科救急情報センターによる行政型精神科アウトリーチ活動の可能性―医療機関受診につながった統合失調症の２例―
  赤田卓志朗，芦名孝一，勅使川原洋子　　他

• Risperidone　から　olanzapine　への置換が精神病後抑うつに有効であった統合失調症の１例
  田中英三郎，加藤　温
• 多剤併用から　perospirone　単剤投与への試み
  高橋正明，平田雄三，稲富　仁

• 自殺対策基本法について
  竹島　正

〔体験を聴き，症候を読む〕第７回

　第II部　症候を読み解く：精神症候から病態心理へ―精神症候学の方法についての覚書―

• 　第２章　認識のフォーカシングと体験の様相（その１）―症候は違って見える―
  中安信夫

• 書いた論文を投稿しよう
  仙波純一

• 自立を焦る２０代女性に対する精神療法―“自立”の背後にある肛門期的葛藤とエディプス葛藤―
  新妻加奈子，餅田彰子，皆川邦直