月刊

精神科治療学 第23巻05号

2008年05月

《今月の特集：インターネットを利用した精神医療》
インターネットの発展は目覚しい。精神医療においてインターネットをいかに有効に利用するかを探ることが本特集の目的である。Webを介した一方向性の情報伝達，電子メールやwebカメラを用いた双方向性の相談や治療，倫理的問題などから構成した。本特集から，インターネットを利用した精神医療のわが国におけるおおよその現状を把握していただければ幸いである。

• 特集にあたって
  宮岡　等
• 精神保健に関するホームページの実際―ウェブサイト『心の活力ねっとわーく』の紹介―
  富田美加、池田智子、山川百合子、他
• 自殺対策におけるインターネットの活用
  山田光彦、大内幸恵、稲垣正俊
• 精神保健福祉センターにおける電子メール相談
  関口隆一、井手友紀子、菊池礼子、他
• バーチャルリアリティを用いた幻覚妄想症状の理解
  原田誠一
• NHK　ひきこもりネット相談の実際
  倉本英彦
• 精神医療における電子メールコミュニケーションの実際
  佐伯俊成
• EAP（Employee Assistance Program）における IT の活用
  廣　尚典
• インターネットテレビ電話（ウェブテレビ電話）やチャットによるカウンセリングの実際
  千田恵吾
• バーチャルリアリティを利用したエクスポージャー療法
  宮野秀市
• バーチャルリアリティによる暴露療法は臨床でどこまで用いうるか
  小松智賀、吉田栄治、貝谷久宣
• インターネットを利用した精神障害の早期発見・早期治療―DUI（duration of untreated illness，疾病の未治療期間）を短縮するために―
  茅野　分、水野雅文、長谷川千絵、他
• IT（information technology）を介した精神医療における倫理
  佐伯俊成
• 〔座談会〕インターネットを利用した精神医療
  倉本英彦、佐伯俊成、田村　毅、宮岡　等

• 半球離断術を受けた難治性てんかん児の手術前後の知能発達
  山田俊隆，清水弘之，須永茂樹、他
• 統合失調症急性期症例におけるolanzapine口腔内崩壊錠の使用経験―多施設共同研究の結果から―
  伊藤耕一、久住一郎、上村恵一、他

• 軽度の認知機能低下を伴う脳梗塞後中枢性疼痛に対して修正型電気けいれん療法が奏効した１例
  図1　軽度の認知機能低下を伴う脳梗塞後中枢性疼痛に対して修正型 電気けいれん療法が奏効した１例
  大朏孝治、橋本　学、渡辺義文
• 摂食障害患者の家族のためのグループ療法の試み
  大野佳枝、羽渕知可子、入谷修司

• 精神科診療におけるインターネットの使い方（1）
  仙波純一