トラウマと身体
センサリーモーター・サイコセラピー(SP)の理論と実践
─マインドフルネスにもとづくトラウマセラピー─
多くの心理療法が言葉に基づく思考や語りに介入するが、身体(動き、姿勢、体感、声、呼吸、身体症状などの非言語的表現)に直接かかわる方法論をもたない。心身の相関を重視し、身体感覚や身体の動きにはたらきかける、マインドフルネスを活用したトラウマセラピーが、センサリーモーター・サイコセラピーである。その理論的基礎から、臨床の技法まで、事例も盛り込みながら包括的に描きだされている。トラウマ治療にかかわるすべての人と、トラウマを抱える当事者に。
パット・オグデン、
ケクニ・ミントン、
クレア・ペイン 著
太田茂行 監訳
定価 6,160 円(本体5,600円 + 税) A5判 並製 528頁
ISBN978-4-7911-0810-7〔2012〕
Contents
第Ⅰ部 理論
第1章 階層的情報処理:認知(cognitive),情動(emotional),感覚運動(sensorimotor)の3階層
第2章 耐性領域(Window of Tolerance):覚醒の調整能力
第3章 愛着:二者間の相互調整における身体の役割
第4章 定位反応(Orienting Response): 何かに注意を向ける意識の働き
第5章 防衛サブシステム:動きをともなう反応と固まる反応
第6章 適応:行動システムと行動傾向の役割
第7章 トラウマと脳:神経生物学的治療モデルに向けて
第Ⅱ部 治療
第8章 治療の原理:理論を実践の場へ
第9章 体験の組織化:現在の身体にはたらきかける技法
第10章 治療の第1段階:安定化のためのソマティック・リソースの育成
第11章 治療の第2段階:トラウマ記憶の処理と成功・克服行動(acts of triumph)の回復
第12章 治療の第3段階:統合とよりよい日常生活
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