発達性トラウマ:その癒やしのプロセス
早期トラウマは,自己調整,自己イメージ,および対人関係能力にどのように影響するか
本書が紹介するNARM™(Neuro Affective Relational Model;神経・感情・関係性モデル)は、近年の心理学の流れに最新の生理学的知見を融合させた,新しい時代の身体的精神療法である。生涯にわたる精神生物学的な症状や対人関係の困難を引き起こす愛着パターンに働きかけることで発達性トラウマに対処する。
早期トラウマに起因する5つのサバイバル・スタイルを手がかりに,ボトムアップおよびトップダウンのアプローチを統合させた独自の技法を活用しながら自律神経や感情の調整をサポートすることで,その人の潜在的な能力やレジリエンシーを向上させる。
本書はこのNARMアプローチの歴史的背景から主要な原理やツール,セッション事例までを含んだ包括的な解説書であり,臨床に新たな次元を求める治療関係者はもちろんのこと,自己認識や成長のためのツールを求める多くの人々にとっても興味深い指針を与えるだろう。
ローレンス・ヘラー、
アリーン・ラピエール 著
松本功 監訳
松本功、
牧野有可里、
佐々木智城、
玉木素子、
広沢多佳子、
伊藤尚子、
安納令奈 訳
松本功、牧野有可里、佐々木智城、玉木素子、広沢多佳子 日本語用語監修
定価 4,840 円(本体4,400円 + 税) A5判 並製 400頁
ISBN978-4-7911-1083-4〔2021〕
Contents
はじめに:NARM™とは
パートA 適応のための5つのサバイバル・スタイル
第1章 概論
第2章 つながり――第1の組織化の原理
第3章 同調――第2の組織化の原理
第4章 信頼――第3の組織化の原理
第5章 自律性――第4の組織化の原理
第6章 愛‐セクシャリティ――第5の組織化の原理
パートB つながりのためのサバイバル・スタイル
第7章 生理学とトラウマ―トラウマが発達に与える影響を理解する
第8章 アイデンティティの始まり――つながりのためのサバイバル・スタイルを理解する
第9章 NARMセラピー・セッションの解説つき記録
第10章 解決への動き――自己および他者とつながること
第11章 関係性の母体を癒やす――幼少期に受けた発達性/関係性トラウマの長期的治療で用いられるNARM™およびNeuroAffectiveTouch™
第12章 生命力の歪みを癒やすシステミック・アプローチ
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