外来精神医療、いま何が求められているのか
─説明と同意に基づく納得診療の実際─
近年、特に統合失調症においては入院患者数や在院日数が年々減少し、地域での支援施設や活動は年々拡充し、精神科診療所も増加する中で、外来精神医療の質の向上が強く求められている。では、どのような医療をすればよいのか。それは、一人ひとりの患者に病気の性質、治療方針、療養指針などをできるだけわかりやすく説明し、それらについて納得を得た上で治療を進めることであろう。これは、必然的に治療は医師と患者の共同作業となり、それとともに家族や職場の人々、地域の福祉サービスとの連携が緊密に行われなければならない。本書は、このような納得診療の進め方をわかりやすく示し、これからの外来精神医療の在り方への実践的な指針を示す。
江畑敬介 著
定価 2,860 円(本体2,600円 + 税) A5判 並製 192頁
ISBN978-4-7911-0911-1〔2015〕
Contents
第1章 地域精神保健・医療の歴史と現状
第2章 地域ケアの考え方とその動向
第3章 精神科面接の理論と方法
第4章 精神科臨床サービスにおいて説明することの臨床的意義
第5章 リハビリテーションの見通しをどう伝えるか
第6章 統合失調症患者への病名告知
第7章 家族との情報交換のあり方
第8章 地域ネットワークの形成における個人情報の提供と守秘義務との関係
第9章 薬物療法と心理社会的療法の統合
第10章 薬物療法における医師−患者関係
第11章 専門職から見た就労支援の意義
第12章 回復期を迎えた患者とのささやかな試み─「回復を目指す質問票」の試み
第13章 病識が欠如し治療を拒否する患者への対応
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