臨床試験のデータを読み解く
精神科における最適な治療をめざして
最適な治療法の選択には、標準治療をよく理解することが求められる。そのためには治療ガイドラインの根拠となったエビデンスの確認が重要であるが、ではエビデンスを解釈する際の着目点とは何か? それを考えるうえで、治療法の有効性を証明し安全性を示す直接的な証拠となる臨床試験のデータが重要な情報となる。
日々の臨床に必要な臨床試験のデータを読み解く方法を解説した成書は極めて少ないが、本書では、臨床医が効率的に臨床試験のデータを理解できるよう、臨床試験の計画の着目点やデータを読み解く方法、精神神経疾患を対象とした臨床試験の特徴を解説した。臨床試験の有効性や安全性のデータを科学的に読み解き、日常診療に役立てることができる貴重な一冊。
中林哲夫 著
定価 8,580 円(本体7,800円 + 税) B5判 並製 164頁
ISBN978-4-7911-1050-6〔2020〕
Contents
1.臨床試験の計画
①臨床試験のデザイン
②臨床試験の目的,対象集団,そして治療法
③有効性評価の方法
2.有効性データの確認ポイント
①結果の安定性
②モデルケースで学ぶ
③有効性評価に影響する因子
3.安全性データの確認ポイント
①安全性プロファイル
②臨床的に重要な有害事象
4.疾患ごとの臨床試験の特徴
①統合失調症
②うつ病
③双極性障害
④不眠症
⑤注意欠如・多動症
⑥てんかん
5.臨床試験の結果の実臨床への適用:科学性と倫理性
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