I.臨床診断とは仮説設定である | ||
1. 疾患概念vs.臨床診断 | ||
2. 臨床診断=仮説設定という認識の有用性 | ||
II.臨床診断は予見と「疑見」を含むものでなければならない | ||
1. 予見の必要性 | ||
2. 「疑見」の必要性 | ||
III.臨床診断は「治療の成否」によって検証される | ||
【精神科雑感1】疑診のすすめ | ||
【精神科雑感2】「心の病」に物申す | ||
第2章 精神科臨床診断のための基礎情報 | ||
I.年齢,性別,職業 | ||
II.主訴と受診動機(患者)and/or来院理由(同伴者) | ||
1.〈主訴〉と〈受診動機〉は別のものである | ||
2. 同伴者がいる場合には,患者とは別個に〈来院理由〉を尋ねる | ||
3.〈主訴〉,〈受診動機〉は患者の生の言葉で陳述通りに記載する | ||
III.現病歴 | ||
1. 現病歴をいつの時点から書き始めるかは治療者の判断に属する | ||
2. 時間を追って記載し,時期の特定とともにその折の患者の年齢や社会的立場も明らかにしておく | ||
3. 患者ならびに同伴者の陳述を生かし,術語は用いずに記載する | ||
IV.家族歴 | ||
V.既往歴 | ||
VI.生活史 | ||
【精神科雑感3】万年筆が臨床眼を鈍くする!? | ||
【精神科雑感4】若くして癌で逝った,ある患者との別れ | ||
第3章 精神科臨床診断の要としての状態像診断 | ||
I.精神科臨床診断の要は状態像の特定にある | ||
1. 精神医学的診断面接 | ||
2. 状態像の概念 | ||
3. 二段階の診断過程 | ||
II.状態像診断 | ||
1. 状態像診断とは〈解析と統合に基づくパターン認知〉である | ||
2. 状態像診断とは〈動的プロセス〉である | ||
III.状態像記載の実際例 | ||
【精神科雑感5】‘インテリやくざ’たれ! | ||
【精神科雑感6】障害を受けるのも心,その心を受け止めねばならないのもまた心 |
山口県生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、精神医学教室に入局。 群馬大学医学部神経精神医学教室・講師、東京都精神医学総合研究所社会精神医学研究部門・副参事研究員を経て、平成3年より東京大学医学部精神医学講座(現大学院医学系研究科精神医学分野)助教授。専攻は臨床精神医学、精神病理学。