精神科臨床の狭間で
折々の記
精神科臨床の道を一筋に歩んできた著者が、臨床の傍らで想いをめぐらし書き綴ってきた随想集。時には激しくほとばしるほどの義憤と矜持に満ちた臨床メッセージや、東大精神科統合に奮闘した思い出、また著者が敬愛する臺・土居・中井との学問的交流など、歴史的にも価値ある27の掌編は、読者を感動と深い洞察へと導く。読者は著者の個性溢れる人柄に触れながら、知らず知らずのうちに精神科臨床の魅力に誘われていくだろう。精神科医ばかりでなく、臨床に携わるものすべてが一読すべき書。
中安信夫 著
定価 1,760 円(本体1,600円 + 税) 四六判 上製 92頁
ISBN978-4-7911-1007-0〔2019〕
Contents
Ⅰ. 精神科雑感
障害を受けるのも心、その心を受け止めねばならないのもまた心/学ぶべきはまずは禁忌、次いで適応/若くして癌で逝った、ある患者との別れ/知らなければ赤子も同然、ほか
Ⅱ. 東大精神科統合への私の関わり─始まりと終わり
助教授就任にあたって/定年退職を前にして
Ⅲ. 先達に導かれて
臺 弘先生への最後の手紙/土居健郎先生の思い出、ほか
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