続 統合失調症症候学
精神症候学の復権を求めて
『増補改訂 分裂病症候学―記述現象学的記載から神経心理学的理解へ』(星和書店,2001)の続編。統合失調症の辺縁症状論、初期統合失調症論、操作的診断基準批判の3つのテーマを柱とし、26編から成る。現今のマニュアル精神医学を危惧し、精神症候学の復権を求めて奮闘したこの10年の成果がこの一冊に! 症候学に基づく精神科臨床の真髄!
中安信夫 著
定価 10,780 円(本体9,800円 + 税) A5判 上製函入 652頁
ISBN978-4-7911-0730-8〔2010〕
Contents
第I部 辺縁症状の病態心理
第一章 内因性若年─無力性不全症候群
第二章 初期分裂病を疑う身体関連症状
第三章 自生記憶想起に対するパニック反応ならびに「自生」悲哀・涕泣
第四章 対他緊張
第五章 加害性を内容とする自我親和的・妄想様反復観念(略称:加害性反復観念)
第六章 殺人欲動/情性欠如を呈し、顕在発症後にそれが消失した初期統合失調症の一例
第七章 「思考、表象、幻覚─中安理論の批判的考察」に対する討論
第八章 「非分裂病性自生思考が単一症候的に出現した一症例」に対する討論
第Ⅱ部 初期統合失調症論の現在
第九章 概説:初期分裂病二〇〇四
第一〇章 初期統合失調症研究の三〇年
第一一章 先行研究との比較から見た初期分裂病症状
第一二章 精神自動症と初期分裂病
第一三章 初期統合失調症は近年になって出現してきた新しい病態か?
第一四章 初期分裂病の顕在発症予見
第一五章 初期統合失調症の自殺既遂例
第一六章 張りつめ/くすみ
第一七章 らくになる
第一八章 「分裂病の病名告知」私感
第一九章 初期統合失調症患者に接する治療的態度
第二〇章 アスペルガー症候群患者の自叙伝に見られる「初期統合失調症症状」
第Ⅲ部 操作的診断基準への批判
第二一章 DSM統合失調症とは「鵺(ぬえ)のごとき存在」である
第二二章 大うつ病(DSM─Ⅳ)概念の「罪」
第二三章 うつ病は増えてはいない
第二四章 「内因性うつ病」について想い起こすこと
第二五章 大うつ病性障害は内因性うつ病にあらず
第二六章 精神科臨床診断の「方式」
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