家族の力で拒食を乗り越える
神経性やせ症の家族療法ガイド
FBT(Family Based Treatment)は、児童思春期の神経性やせ症のための治療法で、これまで数多くの研究によりその効果が示されている。FBT治療では、家族(特に両親)が患者の回復のための大変重要な役割を担うが、短期集中型のアプローチであるため、家族にとって準備期間はほとんどなく、実践の中で試行錯誤しながら速やかに変化を起こさなくてはならない。
本書には、家族がFBTを効果的に実践し、苦しむわが子を病気から救い出すために必要不可欠な情報が数多く記されている。すなわち、摂食障害とはどのような病気なのか、回復のために必要な食べ物の種類や量のアドバイス、両親が結束して取り組むことの大切さ、治療を進める上で家族が直面する困難に立ち向かうための方策などである。
本書は、FBTを始めるにあたっての貴重なテキストであり、子どもの回復のための険しい道のりを進む家族に、必要な知識と力、そして勇気を与えてくれる。また、FBTを学び実践したいと考える治療者に、家族をどのように導いていくかを示してくれる大変有益な手引書である。
マリア・ガンシー 著
井口敏之、
岡田あゆみ、
荻原かおり 監修・監訳
荻原かおり 訳
定価 1,320 円(本体1,200円 + 税) A5判 並製 112頁
ISBN978-4-7911-1028-5〔2019〕
Contents
第1章 神経性やせ症を理解する
SECTION1 神経性やせ症とは?
SECTION2 神経性やせ症の身体への影響
第2章 Family Based Treatment(FBT)を理解する
SECTION3 FBTとはどんなもの?
SECTION4 治療チーム
第3章 子どもの再栄養について
SECTION5 子どもの再栄養への取り組み
SECTION6 食べ物は回復のための薬/食事と間食の計画表の例
ある母親の回想① 再栄養の苦悩を振り返って~9歳の神経性やせ症の患者さんの母親の手記~
SECTION7 体重増加を妨げる問題行動
第4章 FBTにおける両親の役割
SECTION8 両親が結束すること
SECTION9 子どもへの接し方
SECTION10 子どもの苦痛を和らげるために親ができること
ある母親の回想② 再栄養の際に活用した,娘の注意をそらすための方法~14歳の神経性やせ症の患者さんの母親の手記~
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