◎センターでの変化したことや得たもの(2)
・センターでは絶えず褒めてくれる。認めてくれる。
自分でも気づかない自分を周りが教えてくれて、「いいんだよ」「大丈夫だよ」ということを、何度も何度も言ってくれた。
許されることがたくさんあり、同年代の仲間と笑いあったり。
良いときも悪いときも、いつも同じように接してくれる。
感情に巻き込まれず、時には距離を置いたり、言うべきことは言ってくれる。
相手を試したりしがちなので、堂々とした態度で接してくれる人は有難い。
・親に対して望まなくなった
望めば望むほど回復からかけ離れていく。
親と自分は違う人間であるということを自覚し、自分の人生を歩む。
求めるものと切り離さなければいけないものがある。
「完璧ではなかったけど、親は親なりに愛してくれた」と見切りをつけ、自分の足で歩く。
親の望むような自分でいる必要もない。
・感情をコントロールできるようになった。
辛さがなくなるのではなく、障害はコントロールしながら付き合っていくもの。
感情を押し殺さず、いい子で居つづけないようにしたい。
感情や症状を出して、受け止めてくれる環境があると、回復が早い。
・「パーソナリティ障害は人間関係の記憶」だと言われ、安心した。
記憶を良いものに変えていけばいい。
・スタッフだけでなく、先輩の研修生が支えてくれる。
研修生は大体1年間入所しており、先輩が新しい人のサポートをしてくれる。
自立と甘えのバランスが取れている。
先輩やOBの過去の体験談と今の変化を見聞きすることは、希望が持て、手本になる。
自分も他の人の世話をすることが、自分にとって良い。
辛い人たちが集まっているので、共感しやすい。
・一人で本を読んだり、楽器を弾いたり、自分の時間を持ち、人にすがりつくことがなくなった。
(続く)
(文責・稲本)