BPDに効く薬はほとんど無いに等しいと言われています。
医師は薬を処方するのにかなり苦戦するそうです。
躁・鬱・統合失調症でも薬の効果がでるまで3ヶ月程はかかると
いわれているので、患者さんもかなり辛抱強く病院に通い続ける必要があります。
であるならばBPD患者はなおのこと辛抱強く病院に通う必要があるのですが、
数回行って、薬が合わない・医師とフィリングが合わないという理由で通院を中断するか
次々とドクターショッピングをしてしまうのがBPDの特徴でもあります。
もしくは、病気の認識もないので病院に行くことを全く考慮に入れていない場合も多々あります。
(このような方の場合は、本人も息苦しさを感じていると思いますが、周囲が振り回され、周囲の方が困り果ててしまっている場合はハッキリとしたことは診察しないと解りませんがBPDかもしれません)
それまでの8年間は病院を転々とし、姉に適合した薬と出会えませんでした。
しかし、6年前に転院した病院(現在通っている病院)の薬が姉に良く効き、
日常生活が楽しめるようになりとても感謝しています。
大きな展開として極端に太ることもなくなってきました。薬の副作用に(食欲増進)が含まれていたので、
医師に状況や症状を 「分かりやすく的確に)説明したあと、副作用が少ない薬を出して欲しいと
丁重にお願いすると、先生は本人の不安原因を取り除く為に、同じ効能性があり副作用の
少ない薬を処方してくれました。
20キロ太った体重も12キロほど減らすことができました。
(もちろん薬を変えただけで痩せるわけではないのですが、薬の副作用を減らす=痩せると
認知させることで、本人も食生活の見直しをするきっかけになったと思います)
さらに、新しい病院に転院して大きな展開があったのは、薬の内容と数を減らしたことです。
かなり薬に依存していたので、薬が減らされることで、怒ったり・不安になり暴れるのではないか?
と心配しました。しかし、それは全くの逆で、先生は動じることなく
「こんなに薬を服用するから躁状態が悪化している可能性がある。だから衝動性が激しくなっている
可能性があるから減らすよ~」と言って、一気に薬の種類を減らしました。
そうすることで、徐々に薬の依存は無くなり、衝動も落ちついてきました。
それからさらに6年後、しばらく症状が安定していた(年に数回の軽く不安定な波はありましたが)
姉が2011年7月頃から症状が不安定になり、躁と鬱を繰り返す症状が出現しはじめた。
原因はおそらく母親の介護を終えて東京に戻って1ヶ月が過ぎた頃だったと思います・・
今まで効いていた薬が効かなくなり、昼夜逆転・友達付き合いができなくなる・家事ができなくなる
感情の起伏・自傷的な行為などが出現し始めました。姉はまた元に戻ってしまうのではないかと
かなり不安がっていました。
下記の薬は6年の間に(多少薬の変更はありましたが)これまで服用していた薬です
(朝)デジレル 1㎎ 1錠
リスパダール 1㎎ 1錠
デグレト―ル 250㎎ 1錠
(夕)リスパダール 1㎎ 1錠
デジレル 1㎎ 1錠
デグレト―ル 250㎎ 1錠
(寝る前)メイラックス 2㎎ 1錠
ベンザリン 10㎎ 1錠
ラキソべロン内服液0.75%(10ml)
どのような症状が出ているのか手帳に詳細に記入して先生に提出しました。
その情報に基づいて先生は薬を変更されました。2011年の9月の時点の処方
(朝)デジレル 25㎎ 1錠
タスモリン 1㎎ 1錠
リスパダール 2㎎ 1錠
(夕) リスパダール 2㎎ 1錠
テグレト―ル 100㎎ 1錠
タスモリン 1㎎ 1錠
デジレル 25㎎ 1錠
(寝る前) ベンザリン 10㎎ 1錠
リスパダール 2㎎ 1錠
デグレト―ル 100㎎ 1錠
タスモリン 1㎎ 1錠
不安薬(頓服)エビリファイ 3㎎ 2錠
ラキソべロン内服液0・75%(10ml)
(6年前までは20錠以上の薬を飲んでいたのでこれでもかなり薬の量は減りました)
上記の処方により衝動性は安定しましたが、日中眠気が残り
活動できずに悩んでいました。
新しく処方された薬を服用して1カ月後に診察の日に、この1ケ月間に現れた症状や
日常の活動状況を詳しく先生に説明した(5分以内で話をまとめる)ところ
下記の処方に変更されました。2011年11月(現時点服用している薬)
(夕) リスパダール 2㎎ 1錠
テグレトール 200㎎ 1錠
タスモリン 1㎎ 1錠
(寝る前) リスパダール 2㎎ 1錠
テグレトール 200㎎ 1錠
ベンザリン 10㎎ 1錠
朝、薬は飲まず、薬の内容は変更せず、飲むタイミングと薬の数とグラム数を微量に変更することで
見事に症状が安定しました。姉は思考も安定し、衝動性も安定し、日常生活を取り戻すことが
できてきました。
しかし、これはあくまでも(姉)にとってよく効いたのであって、全てのBPD患者に
効くのではりません。
薬に関して悩んでおられる当事者やご家族が多いので、藁にもすがりたい気持ちが
あると思いますが、残念ながらBPDには特効薬は(ありません)
大切なのは、まず、医師とコミュニケーションを図りながら信頼関係を築いてゆくことです。
次の通院までの期間、薬を飲んでどんな症状が出たか、日常生活をどのように
過ごせたか、眠る時間などなるべく詳細に説明して下さい。(辛い・苦・死にたい・暴れた
という説明だけでは的確な処方ができないのでなるべく具体的に説明してください)
その入ってきた情報を通して医師も当事者に適合した薬を処方しやすくなります。
先生が信頼できず、怖いし・頼れないと感じても、
(医師と仲良くなるためではなく、自分の症状を安定させる目的で病院に通っていると言い聞かせて)
まずは最低限でも3ヶ月は根気強く病院に通院することをお勧めいたします。
BPD家族会代表