2011年12月アーカイブ

薬のグラム数と飲み方で症状が改善する

BPDに効く薬はほとんど無いに等しいと言われています。

医師は薬を処方するのにかなり苦戦するそうです。

躁・鬱・統合失調症でも薬の効果がでるまで3ヶ月程はかかると

いわれているので、患者さんもかなり辛抱強く病院に通い続ける必要があります。

であるならばBPD患者はなおのこと辛抱強く病院に通う必要があるのですが、

数回行って、薬が合わない・医師とフィリングが合わないという理由で通院を中断するか

次々とドクターショッピングをしてしまうのがBPDの特徴でもあります。

もしくは、病気の認識もないので病院に行くことを全く考慮に入れていない場合も多々あります。

(このような方の場合は、本人も息苦しさを感じていると思いますが、周囲が振り回され、周囲の方が困り果ててしまっている場合はハッキリとしたことは診察しないと解りませんがBPDかもしれません)

 

それまでの8年間は病院を転々とし、姉に適合した薬と出会えませんでした。

しかし、6年前に転院した病院(現在通っている病院)の薬が姉に良く効き、

日常生活が楽しめるようになりとても感謝しています。

 

大きな展開として極端に太ることもなくなってきました。薬の副作用に(食欲増進)が含まれていたので、

医師に状況や症状を 「分かりやすく的確に)説明したあと、副作用が少ない薬を出して欲しいと

丁重にお願いすると、先生は本人の不安原因を取り除く為に、同じ効能性があり副作用の

少ない薬を処方してくれました。

20キロ太った体重も12キロほど減らすことができました。

(もちろん薬を変えただけで痩せるわけではないのですが、薬の副作用を減らす=痩せると

認知させることで、本人も食生活の見直しをするきっかけになったと思います)

 

さらに、新しい病院に転院して大きな展開があったのは、薬の内容と数を減らしたことです。

かなり薬に依存していたので、薬が減らされることで、怒ったり・不安になり暴れるのではないか?

と心配しました。しかし、それは全くの逆で、先生は動じることなく

「こんなに薬を服用するから躁状態が悪化している可能性がある。だから衝動性が激しくなっている

可能性があるから減らすよ~」と言って、一気に薬の種類を減らしました。

そうすることで、徐々に薬の依存は無くなり、衝動も落ちついてきました。

 

それからさらに6年後、しばらく症状が安定していた(年に数回の軽く不安定な波はありましたが)

姉が2011年7月頃から症状が不安定になり、躁と鬱を繰り返す症状が出現しはじめた。

原因はおそらく母親の介護を終えて東京に戻って1ヶ月が過ぎた頃だったと思います・・

今まで効いていた薬が効かなくなり、昼夜逆転・友達付き合いができなくなる・家事ができなくなる

感情の起伏・自傷的な行為などが出現し始めました。姉はまた元に戻ってしまうのではないかと

かなり不安がっていました。

 

下記の薬は6年の間に(多少薬の変更はありましたが)これまで服用していた薬です

(朝)デジレル 1㎎ 1錠

   リスパダール 1㎎ 1錠

   デグレト―ル 250㎎ 1錠

(夕)リスパダール 1㎎ 1錠

   デジレル    1㎎ 1錠

   デグレト―ル  250㎎ 1錠  

(寝る前)メイラックス  2㎎ 1錠

      ベンザリン  10㎎ 1錠

ラキソべロン内服液0.75%(10ml)

 

 

どのような症状が出ているのか手帳に詳細に記入して先生に提出しました。

その情報に基づいて先生は薬を変更されました。2011年の9月の時点の処方

(朝)デジレル 25㎎ 1錠

  タスモリン 1㎎  1錠

  リスパダール 2㎎ 1錠

(夕) リスパダール 2㎎ 1錠

  テグレト―ル  100㎎ 1錠

  タスモリン    1㎎ 1錠

  デジレル     25㎎ 1錠

(寝る前) ベンザリン 10㎎ 1錠

      リスパダール 2㎎ 1錠

     デグレト―ル 100㎎ 1錠

     タスモリン   1㎎   1錠

不安薬(頓服)エビリファイ 3㎎ 2錠

ラキソべロン内服液0・75%(10ml)

(6年前までは20錠以上の薬を飲んでいたのでこれでもかなり薬の量は減りました)

上記の処方により衝動性は安定しましたが、日中眠気が残り

活動できずに悩んでいました。

 

新しく処方された薬を服用して1カ月後に診察の日に、この1ケ月間に現れた症状や

日常の活動状況を詳しく先生に説明した(5分以内で話をまとめる)ところ

下記の処方に変更されました。2011年11月(現時点服用している薬)

(夕) リスパダール 2㎎ 1錠

   テグレトール  200㎎ 1錠

   タスモリン   1㎎    1錠

(寝る前) リスパダール 2㎎ 1錠

     テグレトール 200㎎  1錠

     ベンザリン   10㎎  1錠

 

朝、薬は飲まず、薬の内容は変更せず、飲むタイミングと薬の数とグラム数を微量に変更することで

見事に症状が安定しました。姉は思考も安定し、衝動性も安定し、日常生活を取り戻すことが

できてきました。

 

しかし、これはあくまでも(姉)にとってよく効いたのであって、全てのBPD患者に

効くのではりません。

薬に関して悩んでおられる当事者やご家族が多いので、藁にもすがりたい気持ちが

あると思いますが、残念ながらBPDには特効薬は(ありません)

大切なのは、まず、医師とコミュニケーションを図りながら信頼関係を築いてゆくことです。

次の通院までの期間、薬を飲んでどんな症状が出たか、日常生活をどのように

過ごせたか、眠る時間などなるべく詳細に説明して下さい。(辛い・苦・死にたい・暴れた

という説明だけでは的確な処方ができないのでなるべく具体的に説明してください)

その入ってきた情報を通して医師も当事者に適合した薬を処方しやすくなります。

先生が信頼できず、怖いし・頼れないと感じても、

(医師と仲良くなるためではなく、自分の症状を安定させる目的で病院に通っていると言い聞かせて)

まずは最低限でも3ヶ月は根気強く病院に通院することをお勧めいたします。

BPD家族会代表 

 

 

 

精神科医のHPサイトで双極性障害とBPDと自己愛性の見分け方について

とても分かりやすく紹介されていたのでご紹介します!

 

●双極性障害とBPDは熟練して医師でもなかなか見分けることが難しいと言われています。

・BPD経過中の双極性障害の発病率は15%と言われています。

・双極Ⅱ型障害は12~23%がBPDの診断基準を満たしている。

・双極性障害はBPDに加え、演技性・強迫性パーソナリティー障害と併存していることがある。

・双極性障害のスクリーニング尺度として普及している心理検査МDQはBPDを

 疑陽性と判断してしまう。

・BPDと双極性障害の類似性

 情緒不安・不安定な人間関係・衝動性・繰り返す自殺企

 

●BPDと双極性障害の違い

 BPDは慢性的な空虚感を訴え、高揚した気分になるkとは少なく、

 対人関係で攻撃的になりやすい。

・再発がほとんどない。

・自分を傷つける行為を繰り返す。

・スプリティング(白黒思考)グレーゾーンを作れない

・薬が効きにくい。

・自己像が絶えず揺らいでいる。

 

●双極性障害の特徴

・対人関係に過敏に反応するが、環境要因の影響は明らかではない。

(BPDは生物・環境・社会要因の影響を挙げている)

・再発を繰り返す

・自分を傷つける行為はあっても躁鬱の症状がある時だけに見られる。

・否認によるストレス回避のための躁状態になることがある。

・薬が比較的効きやすい。

・自己像は一貫していて、尊大な自己像を持っている。

 

●自己愛性パーソナリティー障害の特徴

・自分を否定されるなど、自己愛が傷つけられた時に見られる攻撃性。

・気分がいい時に調子に乗ってしまう誇大性の増幅。

・挫折に弱く、挫折したときに激しく落ち込み抑うつ状態になる。

双極性と自己愛でよく診断で迷う点は、自己像は一貫していて、

誇大的な自己像を持っているという部分で診断に迷うそうです。

 

参考資料 最新精神医学16巻1号2011年1月25日発刊

 

 

 

ゆきさんのお話(6)

 

◎センターで経験した、親や周りの人に望むこと(2)

・怖がらないでほしい
 本人は常に恐怖と闘っている。
 他人に対してだけでなく、瞬時に変化する感情、襲い掛かる孤独感、空虚感。

 恐怖を感じさせるようなことを周りにするが、家族の方は怖がらないでほしい。
 怖がられると、本人の孤独は深まり、罪悪感は強まる。

・信じてほしい
 自分も他人も信じらず、責任を相手に委ねがちだが、本人を信じてほしい。
 据え膳を用意するのではなく、本人の自主性,持っている力を信じてほしい。

 プレッシャーにならない程度に励まして。
 失敗しても、責任は自分で取らせる。

・結局は愛してほしい
 家という閉鎖的な場で、問題ばかりだと難しいが、一度真っさらな状態で愛してほしい。
 生まれた時の喜び、育てていたときの思い出。
「~~ちゃんが生まれたとき、こんなに嬉しかったよ!」「宝物だよ!」と言ってほしい。

・両親の夫婦仲
 安心できる環境があってこその回復なので、本人が目にする対人関係が円満なのが大切。
 両親が意思の疎通が取れて仲良しなのは、子供には嬉しい。
 BPDの治療に片方の親だけが苦労していたり、夫婦間に不満があると、子供は不安。
 鏡のような感じ。
 親自身が、生き生きと人生を楽しんでいること。

(以上)

(文責・稲本)

 

平成23年11月現在の家族会財務収支

東京家族会

   収入  37,000円 ・ 10月30日(1,000円×14名)    (①)

               ・ 11月13日(1,000円×14名)

               ・ 11月27日(1,000円×9名)

        18,900円 (「精神科治療学」の原稿料)    (②)

   支出   9,140円 ・ 資料コピー代金や事務用品   (③)

 

   収支   46,760円 ・ A (①+②ー③)

 

大阪家族会

   収入  28,000円 ・ 11月3日(2,000円×14名)    (④)

   支出  32,010円 ・ 資料コピー 1,190円  (⑤)

              ・ 交通費  28,660円

              ・ 2月5日分会場使用代金  2,160円

 

   収支  -4,010円 ・ B (①+②ー③)

 

☆ A+B  41,150円 + 413,700円(10月末残) = 456,450円

上記 財務報告は奥野代表の会計監査済みです。

 

            BPD家族会事務 山本

 

 

 

        

 

ゆきさんのお話(5)

 

◎センターで経験した、親や周りの人に望むこと(1)

・褒めてほしい。
 自尊心がないに等しいので、些細な変化でも褒めてほしい。
 内面の良さや、以前と比べてできたこと、変わったことなどを。
 本人に気付かせるつもりで、毎日のように言ってもらいたい。

・認めてほしい。
 理不尽だったり自分勝手だと思われても、本人は実際にそう感じているので、否定せず受け止めてほしい。
 「~~ちゃんはそう思うんだね」など、まず本人の意思を認める。
 その上で「でもね、お母さんはこう思うよ」というように、他の価値観もあることを本人に教える。
 「おかしくないよ」という言葉は、救われた。

・分かってほしい。
 全く関係ない不満や怒りを爆発させるが、シンプルに「寂しい」だけだったりする。
 問題行動や発言に翻弄されるのではなく、本人が本当は何を思っているのか、どうしたいのかを理解してほしい。

・見捨てないでほしい。
 自分の存在価値が分からないので、親や周りの人を試すが、絶対に見捨てないでほしい。
 「みんながついてるよ。大丈夫だよ」という安心感を、本人に与えてほしい。
 本人自ら離れるような行動を取っても、いつでも待っていて、助けが必要な時は手を差し延べてもらえると嬉しい。

 家族への不信感や罪悪感もあり、甘えることができない。
 周囲の方は気丈に、穏やかに、甘えられる余裕を感じさせてほしい。
 肝っ玉母さんでいてほしい。

・見ててほしい。気付いてほしい。
 挨拶はもちろん、「今日は調子どう?」「眠れた?」という、話しやすい雰囲気を作ってもらえると助かる。
 問い詰める口調ではなく、あくまでも「毎日あなたのことを見ているよ」という意味。
 「今日は顔色が良いね」など、良い変化も気付いてくれると嬉しい。

(続く)

(文責・稲本)

 

 

ゆきさんのお話(4)

 

◎センターと病院との違い

・決まりがない
 何時に寝て起きるとか、食事も入浴も決まっていない。
 引きこもっても、部屋から出て人と関わるのも全て自由で、束縛感もない。
 帰りたければ帰ることもできる。
 だから逆に、逃げようという気持ちにならなかった。

・人として接してくれる
 患者と治療者というより、毎日一緒に暮らして家族みたい。
 親身になって聞いてくれ、怒るときは怒ってくれ、対等に接してくれる。
 暴れても、引きこもっても、反発しても、見守り、待ってくれる。

・季節に応じてイベントがあり、楽しかった。
 お客さんを招いてダンスや歌を披露したり。

 バンドを組んだ。
 週2回の練習を半年くらい続けて発表したときは、言いようもない達成感と幸福感。
 仲間同士で困難があったが、良い思い出。

・畑で野菜採りや畑仕事。
 汗をかきながら泥だらけになって、大変だったけど、良い経験。

・自分のお父さんくらいの人や、赤ちゃんと旦那さんがいるお母さんや、老人の方もいた。
 人格障害だけでなく欝や摂食障害の人など、老若男女色んな地域の人と暮らして、それぞれの人の話を聞いたり、聞いてもらったり。
 「一人じゃない」という意味で、すごく心強かった

・辛い状況の中、あえて人の相談に乗ったり、仲間に発作が起きたとき支えるのは、自分のことだけでなく、相手を思いやることに繋がった。

・許可があれば飲み会やカラオケに行ったり、鍋パーティやゲーム大会をした。
 仲間同士のやり取りも、本当に楽しかった。

(続く)

(文責・稲本)

 

このアーカイブについて

このページには、2011年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年11月です。

次のアーカイブは2012年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

home

家族会掲示板(ゲストプック)

家族会 お知らせ・その他

本のページ