2012年1月アーカイブ

「ゾーン」にいる人のために(1)

 
 感情のジェットコースターに乗っているような気分ですか? 
 もしそうなら、あなたは「ボーダーラインゾーン」にいるのかもしれません。
 次の項目を声に出して読み、それをどのように感じるかによって、自分のゾーンを確認してください。

・私には良いところが一杯ある。
・私は個性的で、私のような人間は世界中にいない。
・私は多くの人に良い影響を与えている。
・多くの人が私を愛してくれている。
・私は完璧ではない。
 でも完璧な人などどこにもいない。
・無条件に愛されたいと望んでもいいと思う。
・困難な状況の中でも、最善を尽くしてきた。
 失敗したかもしれないが、努力に免じて自分を許してあげたい。
・私にも健康で幸せになる権利がある。
・全ての人が私を愛してくれるとは限らない。
 でも私を無礼に扱う権利は誰にもない。
・私には程々の良心と頭しかない。
 でも人は私を好きでいてくれる。

 これらの言葉にどう反応したでしょうか? 

1.その通りだと信じることができますか? 
 信じられないという人は、もう一度読み直してください。

2.読むと泣けてしまうという人は、自分がどれほどの感情的重荷を背負ってきたのか、気付いていないかもしれません。

3.何も感じられなかったという人は、感覚を麻痺させて自分を守ろうとしているかもしれません。

4.その通りだと思いながら、さほど心に響くものがないとしたら、パートナーとの関係から感情的に距離を置いているのでしょう。
 いくらか健全な自己評価を持つノン・ボーダーラインの人が、早い時期に関係から退く場合などに、しばしば見られることです。

(続く)

*「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」星和書店(ランディ・クリーガー)より

稲本

 

 
 ランディ・クリーガー氏は著書の中で、ボーダーの人のパートナーや家族,周りの人たちのことを、「ノン・ボーダーライン(non-BPD)」と表現しています。
 ボーダーの人から何らかの影響を受けている人のことで、その人自身がボーダーであるかどうかは関係がありません。
 クリーガー氏の著書でのキーワードです。

 クリーガー氏はインターネット上で1995年、ノン・ボーダーラインの人のサポートグループを結成しました。
 98年に改名し、「ようこそオズへ」(WTO:Welcome To OZ)といいます。
 「魔法使いオズ」から取ったものです。

 主人公のドロシーは、オズの世界と現実の世界という、ふたつの世界を生きています。
 ノン・ボーダーラインの人も、ボーダーラインの世界である「オズゾーン」(怒り,分裂,意味不明な世界)と、通常の世界にいます。

 また、物語の中のライオンは、勇気がないと思っていました。
 ノン・ボーダーラインの人も、ボーダーの人を前にビクビクしながら過ごしています。
 しかし、自分の中にある勇気を見つける必要があります。

 かかしは、頭の中が空っぽだと思っていました。
 ノン・ボーダーラインの中にも、破壊的な関係から抜け出せない愚か者だと思う人がいます。
 でも長年虐待されてきて、自分の素敵なところが見えなくなっているだけです。

 ブリキ男には、心というものがありませんでした。
 ノン・ボーダーラインの人も、感じないことが対処法になっていることがあります。
 けれども、よいことも悪いことも、もう一度感じることが、回復のために重要です。

 ドロシーたちは魔法使いに会う旅をしましたが、結局、力や勇気などは自分自身の中にあったのだということが分かります。
 ノン・ボーダーラインの人も、自分の中に元々ある素晴らしいものを取り戻していくことが大切なのです。

*「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」星和書店(ランディ・クリーガー)より
 
 稲本

 

 「愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス」(星和書店)の内容を要約・抜粋して、連載して参ります。
 本書は、「境界性人格障害=BPD」の著者ランディ・クリーガー氏(共著)が記した、ボーダーのパートナーの人に対する実践的なアドバイスです。
 

 恋愛,結婚,友人など、自らの意志によって選択した関係は、より複雑な問題を引き起こします。
 第一に、自ら選択したほうが、そうでない場合より、遥かに深い結びつきを期待します。
 第二に、選択した背景にはその人自身の個人的歴史と背景が窺えます。
 例えば、ボーダーの人を続けて選ぶ人が往々にしているのです。
 第三に、選択の自由と責任、および法的義務が存在します。
 例えば、離婚,子供,お金などの問題です。

 さらに難しいテーマは、怒りや見捨てられ感を抱くボーダーの人が、パートナーに対して与えかねないダメージについてです。
 このテーマは"悪いボーダーライン"という先入観を与えかねません。
 しかし、ボーダーの人の感情の激しさを自覚し、心の準備を持てば、ダメージを減らす可能性があるのです。

 それには勇気が必要です。
 ボーダーの人は「自分には助けが必要だ」と言う勇気、パートナーには「ノー」と断る勇気です。

 パートナーの人は、次のような段階を経験していきます。

1.混乱の段階
 ボーダーの診断を受ける前、ボーダーの人の言動が理解できず苦しみます。

2.外へ向かう段階
 自分自身の感情を認め、それに対処します。
 ボーダーの人に行動の責任を持たせ、ボーダーの人をコントロールすることを諦めることです。

3.内へ向かう段階
 二人の関係に対して自分が果たした役割を、より深く理解することです。
 自己批判ではなく、洞察と自己発見です。

4.決断の段階
 自分自身の価値観,信念,期待,思い込みなどをはっきり理解する必要があります。

5.解消の段階
 決定を実行に移し、人生を歩んでいきます。

(本書は、ボーダーの人の中でも特に、高機能,批判的であり、自覚のない人について説明しています。)

*「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」星和書店(ランディ・クリーガー)より
 
 稲本

  

平成23年12月現在の家族会財務収支

東京家族会

   収入  20,000円 ・ 12月11日(1,000円×9名)    (①)

                 ・ 12月23日(1,000円×11名)

   

   支出  21,000円 ・ 遊佐先生コンサルタント代金   (②)

 

   収支   ‐1,000円 ・ A (①-②)

 

 

☆ A -1,000円 + 456,450円(11月末残) = 455,450円

上記 ご報告いたします。

財務報告は奥野代表の会計監査済みです。

 

            BPD家族会事務局

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