2012年7月アーカイブ

最近ジオログがお休み状態なので、

本日私奥野が担当させていただきます。

どうぞ、お付き合い下さい。

 

BPDの人たちはとても敏感で常に感情が揺れ動いています。

そのため周囲は、何を言うか?どう伝えたらいいのか?褒めるべきか?

しかるべきか?自分の意見を言ってもいいのか?等

BPDに関わる人たちは常に混乱するBPDの感情の渦に巻き込まれ、

BPDの人たちの機嫌を損なわない為にビクビクしながら

毎日対応されていらっしゃるのではないでしょうか?

来る日も来る日も気を遣いながら接していくうちに、こう叫びたくなるかもしれません。

「いつまで機嫌を取り続けなければならないの!」

 

では、私達は一生死ぬまで機嫌取りをし続ける必要があるのでしょうか?

「そうではいけません」

黒田先生はおっしゃっています。

では、どのように接してゆけばいいのでしょうか?

黒田先生は次のように私達に教育してくださいました。

 

(接し方)

子育てのやり直しを意識し、小さい子供に話すような(話し方)を

する必要があります。

(根気)

対決はしてはいけません。対決すれば衝突が起きます。

しかし、あきらめてはなりません。

 

でも・・・・

優しくすればBPDはもっと甘えてくるし、

うるさく言い続ければ大暴れされて困る!だから

言えない・・・そのような皆さんの声が聞こえてきそうです・・・

 

ここで大きな誤解が起きている場合があります。

どんな誤解かというと・・・

 

優しく伝えることと内容を変えることと混同してしまっている場合があります。

つまり、子供のように優しい口調で伝えますが、

ルールや基準を曲げることはしてはいけないということです。

これは、機嫌取りではありません。

話のテクニックでもありますね。

 

ランディークリガさんがおっしゃっている言葉に置き換えるならば、

「愛による限界設定」と言い換えることができるかもしれません。

「いけないことはいけない」とハッキリ伝えることです。

つまり、機嫌取りをし続けてはいけないとい言うことです。

 

BPDの人に納得・説得・動機付けを励まして

生活環境や社会適応力を育むことはできないと

黒田先生はおっしゃっています。

何故なら、納得したからといって「やる」とは限らないからです。

 

では、どうすれば、社会適応力・生活環境・人間関係を

育むことができるのでしょうか?

 

「治療環境をつくる」

自立するように仕向けます。

対立はしないけれど、あきらめずに

BPDの人たちができていないこと、知らないこと、やってはいけないこと等

とにかく、嫌だけどさせられるように周囲が仕向けてゆく必要があります。

周囲に助けて欲しいならば、ちゃんと家族や関わる人たちに教わる態度や

お願いする態度を周囲が教える必要があるのです。

その為には、家族のき然とした態度が必要です。

(ここが家族や関わるパートナーにとっては至難の業となることでしょう

 家族もトレーニングです!)

 

この対応法は実は「行動療法」なんです。

皆さんはオペランド条件付けという言葉をご存知でしょうか?

私も、心理学の勉強期間に行動療法の論文を書いたことがあります。

この行動療法を活用することで、私も苦手なことを継続して行えるように

なりましたが、BPDの人たちにも有効活用できることを

黒田先生に教えていただき驚きました!

 

オペランド条件付けについて簡単に説明させていただきますね。

オペランドはoperationに由来する言葉であり、

例えば、「叱る」「ほめる」などの賞罰によって、学習行動を修正して

いくのが、オペランド条件付けです。

 

その行動によって、環境がどう変化したかを経験します。

それによって、環境に適応するような行動を学習してゆきます。

 

本人が理想やこだわりによる概念に囚われたていて

いつまでたっても望む結果を得られる行動を起こさない。

口では「やる」と言っても、いつまでも行動しない場合は

叱るなど厳しい態度で接し(非承認・否定とは違います)、

正しい方向へと導き、そして、望む結果を得るための、行動を行った際には、

肯定的に評価して受け入れて、褒めるなどを行うことにより良い

行動を、継続的に行ってもらいます。

 

実際、我が家でも試してみました!

初日は今までしたことが無い対応法だったので

姉も私も大変!大騒ぎでした!

でも、あきらめずに、かつ対決することなく

話し合いました。朝から2時間の話し合いでした(^_^;)

(ちょっと感情的になった部分もありますが)

私も、姉もがんばりました~。

何を挑戦したかと言うと、「朝に洗濯をする」ことです(^_^;)

でも、がんばってすることができました!

最近家事もよくこなし自分のことは自分でできることが

多くなっていましたし、昼間に洗濯してくれればそれで良いと

私も思っていたのですが、以前からの目標が朝に行動範囲を広げることが

テーマだったので、頑張ってみました!

 

今は二人の合い言葉は「辛いことをやってみよう!」  

              「嫌なことをやりましょう!」

を合い言葉に、機嫌取りすることなく、日々の教育に頑張っています。

案外できることが増えているのでビックリしています!

どうやら、「嫌なこと」「辛いこと」と言うことで

自分の頭の中で無意識に出ていた言い訳ができないようです・・・

 

「嫌なことをやる」って嫌だな~と思いますが、

この嫌なことができなくて、自分の思考や生き方を狭め

自分で自分自身を囚われ状態に追い込んでいるのかもしれません。

これは、BPDだけに限らず、誰にでも弱さがあるのではないでしょうか?

そんな弱い「自分にも」気づけたような気がします。

 

行動療法ってすごい!

行動療法に魅了されている今日この頃の私と姉です♡

 

BPD家族会代表 奥野栄子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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