ランディ・クリーガー,ポール・メイソン共著の「境界性パーソナリティ障害=BPD(はれものにさわるような毎日を過ごしている方々へ」第2版(星和書店)の内容を紹介していきます。
ベストセラーとなった第1版に、著者の経験と新しい治療アプローチの解説などが加わり、実践的な援助や対処のコツが分かりやすく書かれています。
(稲本)
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「序 親しいけれどよくわからない人々:本書のできるまで」(1)
どうして彼は、私(ランディ・クリーガー)のことを有能で素晴らしいと持ち上げたかと思うと、卑劣で問題の原因が私にあると怒鳴り散らしたりしたのでしょう?
数年間かけて、私は欠点だらけの人間で、全ては私の責任だと受け入れてしまいました。
二人の関係が終わってからも、私には、人に対する不信感と弱々しい自尊心が残りました。
そしてセラピーを受け始めたのです。
セラピストは、彼の行動は境界性パーソナリティ障害の人にぴったり当てはまると言いました。
境界性パーソナリティ障害?
私には聞いたこともない言葉でした。
当時、BPDに関する一般向けの本は2冊しかありませんでした。
しかも、家族のために役立つ本というより、BPDについての一般的な説明が書かれたものに過ぎませんでした。
私は自分用のセルフヘルプの本を書くことを決心しました。
北米だけでも600万人がBPDを抱えており、少なくとも1800万人の家族,パートナー,友人たちが、自分には関係ないことで自分自身を責めていると思ったからです。
(次の記事に続く)
*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版より
文責・稲本