○当惑
BPDの中核的な特徴である「衝動的な攻撃性」と呼ばれる反応に、当惑してしまいます。
衝動的な攻撃性は、拒絶や見捨てられの脅威によって引き起こされます。
攻撃性は外に向けられたり、内(自分自身)に向けられたりします。
○自尊心の喪失
感情的虐待は人の核心部分まで傷つけ、身体的虐待よりもひどい傷痕を残します。
状況を判断できなくなるまで、被害者の自尊心を蝕んでいきます。
被害者は虐待の責任は自分にあると考えてしまいます。
自分には何の価値もないと確信するようになり、他に行くところがなく、虐待の場に留まり続けるのです。
究極的な恐れは、独りぼっちになることです。
○罠にはまったような、どうしようもない感じ
関係の罠にはまってしまったと信じ、そこから離れられないように思えます。
必要以上に責任を感じたり、過度の罪悪感を抱くかもしれません。
自殺や人を傷つけるという脅しは、ノン・ボーダーラインの人に無力感を抱かせ、関係から離れることが危険であると感じさせるのです。
○引きこもり
ノン・ボーダーラインの人は、その状況から離れようとするかもしれません。
仕事に没頭したり、間違いを言わないよう沈黙したり、関係を終わりにすることなどです。
それはボーダーの人の見捨てられ感を誘発し、より激しい行動化を引き起こすかもしれません。
○罪悪感と羞恥心
繰り返しの非難には洗脳の効果があります。
ノン・ボーダーラインの人は、問題の原因は自分にあると思い込むようになります。
子供にそのようなことが起こると、とても大きなダメージになります。
子供は親を非難したり、疑問を持つ能力がないからです。
ボーダーの人の親もまた、自分をひどい親だと思い込んでしまいます。
自分を非難し、自分の過ちを見つけ出そうと躍起になる人もいます。
生物学的問題が原因ということになっても、親は子供の生物学的遺伝に責任を感じてしまうのです。
(次の記事に続く)
*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より
文責・稲本