ノン・ボーダーラインの人は、相手の問題を解決できるのは自分だけと思いがちです。
自分が相手を変えられるという幻想は、彼ら(つまり、彼ら自身を変えられる唯一の人)から責任を奪うだけです。
24時間、愛する人の苦痛を肩代わりすることもできますが、ボーダーの人を助けることにはなりません。
彼らを助ける最善策は、あなたがあなた自身を大切にすることです。
○愛情を持って離れましょう
個々人には他人の病気に責任はありません。
・他の人の行動や反応に悩まない
・他の人の回復のために、あなた自身を利用させたり虐待させたりしない
・他の人が自分でできることはしない
・危機的状況を作らない
・自然の成り行きで生じる危機を避けない
離れることは、親切なことでも不親切なことでもありません。
自分たちの状況を現実的・客観的に見ることができ、賢い選択ができるようになるのです。
○あなた自身の人生を取り戻しましょう
あなた自身の幸福を早く手に入れてください。
ボーダーの人とあなたは別の人間です。
ボーダーの人はあなたと一時的に離れても生きていけるし、戻ってきたらあなたがまだ大切に思っていることが分かるでしょう。
退くことが、実際には関係を築くことになるのです。
セラピストになったり、彼らの心理分析をするのは、あなたの務めではありません。
以下の、3つの「c」と3つの「g」を覚えてください。
・私が原因(cause)ではない
・私がコントロールする(control)ことはできない
・私が治す(cure)ことはできない
・ボーダーの人から離れよう(get off)
・ボーダーの人のやり方から抜け出よう(get out of)
・自分の人生を生きよう(get on with)
人生を楽しんでください。
趣味でも交遊でも、リフレッシュして視野を広めましょう。
(過食や過飲はやめてください。)
ボーダーの人の行動は根深いものです。
ボーダーの人が少しずつでも良い方向に進んでいるなら、褒めてあげてください。
好ましい点があれば、評価してください。
○あなた自身のアイデンティティと自尊心を高めましょう
非難や批判をされていると、自尊心は地に落ちるかもしれません。
自尊心が低いために、他人に自分を利用させたり、虐待され続けたり、自分自身を傷つける人たちがいます。
あなたの自己価値が傷ついていたら、直ちにそれを修復する手順を踏んでください。
ボーダーの人に頼ることはしないでください。
(ボーダーの人でも、他の人に対して支持的になれる人が沢山います。)
*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より
文責・稲本