2013年1月アーカイブ

 
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《恐れ・義務感・罪悪感(FOG)》
 感情的な脅しに弱い人の特徴として、恐れ(Fear),義務感(Obligation),罪悪感(Guilt)があります。(略してFOG「霧」)

・恐れ
 愛情,お金,賞賛,子供との関係など、何かを失うことを恐れます。
 感情をコントロールできなくなることを恐れることもあります。

・義務感
 脅迫者が見せる優しい態度が、義務感として繰り返し思い出されます。
 自尊心や自分を大切にすることより、義務感が強くなると、相手はそこにつけ込みます。

・罪悪感
 あなたのごく普通の行動が、ボーダーの人の引き金になる場合、彼らは自分の感情をあなたのせいにします。
 あなたは罪悪感を感じるかもしれません。

○対処方法
 自分自身の反応の引き金が何なのか、気付くだけでも対処しやすくなります。

・自分自身のことに取り組む
 自尊心の低い人は、自分がなぜ自信がないのか調べてみましょう。
 仕事の能力を高めたり、講座を受けるのもいいでしょう。

 ボーダーの人の批判をかわすのがうまくなります。
 または感情的な虐待から離れることもできます。

・他の人と一緒に現実をチェックする
 ボーダーの人の言葉が正しいか、友人に尋ねてください。

・あなたの反応を引き起こす状況にいるのは控える
 あなたは自分を大切にする権利があります。

・反応は最小限にする
 ボーダーの人が、ボタンを押すと望んだ効果が得られると思えば、その行動は繰り返されます。

・人をコントロールすることはできないと気付く
 ボーダーの人にではなく、自分自身に責任を持ちましょう。

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

 
●激しい感情的反応の引き金を見定めること
 
 怒り,後悔,不安,恐怖などが引き金になります。
 ボーダーの人の行動パターンを記録し、引き金になる言動やでき事が分かると、反応は予測しやすくなります。

 ex.一番ひどい言動をマイナス10,すごくいい時をプラス10,普通の気分を0として記す。

 ex.爆発的な怒りは10分~数時間続く
  だんまりは2~5日続く
  優しく明るいのは3~4日続く
  悪い気分は4~10週間続く
  怒りが爆発して新しいサイクルが始まる

 あなたとボーダーの人の行動の間に関連がなければ、彼らの行動は自分が原因でないことが分かるでしょう。
 外部のでき事が引き金になる場合もあります。

○ノン・ボーダーラインの人にとっての引き金
 ボーダーの人は自分が脅かされると、意識的・無意識的に引き金を引き、苦痛から自分を守ろうとします。
 その言動にすぐ反応する必要はありません。

 スプリッティング(白か黒か),過度の一般化(「あなたはいつも~」),不合理な関連づけ(「私のことが嫌いだからパーティーに連れて行かない」)がないか、観察し考えてください。

 ノン・ボーダーラインの人にとっての引き金は次のようなものがあります。
・ボーダーの人から不当な非難を受ける
・自分のニーズや感情をボーダーの人に否定される
・ボーダーの人に賞賛される(こき下ろしと批判が待っている)
・ボーダーの人の行動化の前に起こるでき事
 (ボーダーの人の次の反応に怯える)

(次の記事に続く)

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

自分の行動に責任を持ちましょう(4)

 
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○行き詰まり感から抜け出すには
 どれを選んでも危険だから動けない、しかし同時に、何かをせざるを得ないと感じますか?
 相手が大きく変わる必要がありますか?

 ノン・ボーダーラインの人がなぜ行き詰まりを感じ、それらをどうすればいいのかを述べます。

・感情的な虐待から生まれた、不健全な絆:
 コントロールする,脅す,罰する,孤立させる行動は、やる気を失わせ、混乱をもたらし、決断を難しくします。
・恐れ:
 実際の恐れから、衝突への恐れ,未知の事柄への恐れまであります。
・義務感,役割,責務
・罪悪感:
 これは家族(特に親)の判断力を奪い、自分自身に無罪を言い渡すまで、途方もなく長い道のりになります。
・自尊心の低さ:
 羞恥心を和らげるため、良い人であろうとします。
 自分に足りないことを補うために、自分自身や成し遂げたいことを犠牲にします。
・「救ってあげたい」という欲求:
 救助は、よかれと思う気持ちから始まります。
 平穏を保ち、衝突を避けるためには何でもし、非難も甘んじて受け入れます。
 結局は、操作されていると感じ、怒りと欲求不満を覚えます。

 行き詰まり感から抜け出すためには、ボーダーの人に過度に焦点を合わせるのをやめ、自分自身をしっかりと見つめるのです。

 自分で選んでください。
 「彼のせいで......」「彼女が無理やり......」というセリフをやめましょう。
 「......しなければならない」と言うよりは、「今ここでは、私は......することにする」と言ってください。
 うまくいかなかったら、別のことをしてみましょう。

・あなた自身の姿勢や信念に従う
・過去から学ぶ
 似たような状況にいたことがあるか
・救助ではなく援助する
 ボーダーの人には自分の問題を解決する力があると信じていることを伝える
・ボーダーの人に、「必要ならここにいる。でもあなたが決めることは、あなたの責任」と、健全な支持のメッセージを伝える

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

自分の行動に責任を持ちましょう(3)

 
(前の記事からの続き)

○ひどく扱われて当然だと思わない
 傷つくほうが孤独よりもましだと思うかもしれませんが、虐待的な関係は自分を見失わせ、結果として究極的な孤独をもたらします。
 健康な人でも、自分の価値に疑問を感じることがあるものです。

 辛辣な批判や非難,怒りにさらされると、ノン・ボーダーラインの人は健全な人間関係を築く権利などないのかと疑うようになります。
 でも、あなたには以下の権利があります。

・一人の人間として尊重される
・身体的,感情的要求が満たされる
・評価され、軽くあしらわれない
・パートナーと効果的にコミュニケーションする
・プライバシーが尊重される
・コントロールを取り戻すために奮闘しないですむ
・お互いを信用し、評価し、援助し合う
・二人の関係を通じて、またはその他で、成長していく
・自分の意見や考えを持つ
・関係に留まるか去るかを決める

 権利は、それを擁護しなければ認められないのです。

○自分の問題に目を向ける
 誰かを救ってあげなければと思っている人のための質問リストです。

・自分には他人の考えや行動,感情に対して責任があるか
・誰かが問題を打ち明けたら、自分がそれを解決しなければならないか
・衝突を避けるために、自分の怒りを飲み込んでしまうか
・得ることは与えることより難しいか
・人間関係が危機的なときに、人生を楽しく感じるか
 順風満帆な人をパートナーに選ばないできたか
・耐えることを聖人のように言われたか
 それをどこかで楽しんでいないか
・自分の問題を解決するより、他人の問題に専念するほうが魅力的か

 自分を変えるより他人を変えるほうが簡単だとか、他人の問題に焦点を当てていれば、自分の問題を見なくてすむと思っている人がいます。
 自分に尋ねてみてください。

・ボーダーの人から離れた自分はどういう人間か
・自分がいたい場所にいるか
・ボーダーの人がいなかったら、向き合うはずだった何かから、目をそらしているか
・二人の関係に気を揉むことに、どれだけ時間を費やしてきたか
・ボーダーの人との人生に問題がなかったら、その時間をどう過ごしてきたか

 ボーダーの人との間で直面する問題は、自分自身が抱えていた問題を大きくしたものに過ぎないのです。
 彼らさえ変われば、全てうまくいくと思うのは間違いなのです。

(次の記事に続く)

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

自分の行動に責任を持ちましょう(2)

 
(前の記事からの続き)

○間歇的な強化の影響
 レバーの付いた箱の中にネズミがいます。
 レバーを5回押すと餌が出ます。
 ネズミはすぐにそれを覚えます。
 しかし餌を与えないようにすると、ネズミはレバーを押すのをやめてしまいます。

 今度はとぎれとぎれに餌を与えるようにしてみます。
 2回で与えたり、15回で与えたりします。
 次にもう一度、餌を与えないでおきます。

 20回押しても餌は出てきません。
 するとネズミはレバーを何十回も押し続けます。
 行動が間歇的に強化されると、報酬がなくなっても、行動が止まりにくくなるのです。

 間歇的な強化にはふたつの作用があります。
 ボーダーの人の気分が良いとき、あなたは間歇的に強化されています。
 じきに彼女の気分が良くなるだろうと考えます。

 あなたが時おり彼らの要求に屈していると、彼らも間歇的な強化を受けるのです。
 ボーダーの人からひどい扱いを受けていながら、その人に"はまっている"と感じるなら、間歇的な強化がないか調べてみてください。

○ジェットコースターに乗る時の興奮
 物事がうまくいっている時は、本当に気持ちがいいものです。
 ボーダーの人から熱狂的に思われたりすると、その興奮のとりこになるでしょう。

 そしてだんだんお世辞が言われなくなると、ノン・ボーダーラインの人は再び自分を理想化してもらおうとするのです。
 ボーダーの人は間歇的に、相手との関係に執着したり、相手をおだてたりし、強化がなされています。

 あるノン・ボーダーラインの人は、ボーダーの人との関係を中毒のようだと言いました。
 自分の意志とは反対に、その関係に戻ってしまいます。
 彼女を愛している自分に嫌悪感や羞恥心があるにも拘らずです。

○自分で決める
 ノン・ボーダーラインの人は、恐怖を感じるとき、自分は無力だと考える人がいるかもしれません。
 境界を明らかにすることや変化する努力が、ボーダーの人の怒りを買うのではないかと恐れています。

 それ故、ボーダーの人の否定的な反応を避けるなかで、自分を無力だと言うのでしょう。
 変化したり、よりよい人生を造る責任を放棄してしまうかもしれません。
 自分は犠牲者だと考えるかもしれませんが、あなたは人間関係やあなたの人生を変える力があるのです。

(次の記事に続く)

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

平成24年12月現在の家族会財務収支報告

収入   359,946円  (①)
  
  内訳 12月 2日東京家族会(31名×2,000円)   62,000円
      12月 9日関西家族会(39名×4,000円)  154,000円
      12月 9日関西懇親会             80,000円
      12月16日東京家族会(19名×2,500円)   47,500円
      12月16日東京お茶会              7,446円
      12月16日東京懇親会費            9,000円
     
 
支出   318,651円  (②)
 
  内訳 12月 2日東京講師謝礼             20,000円
      12月 2日東京お茶代                220円
      12月 9日関西講師謝礼             40,000円
      12月 9日関西懇親会費             95,000円
      12月 9日関西移動交通費           68,720円
      12月 9日関西会場費               3,660円
      12月 9日関西事前打合せ費           5,540円
      12月 9日東京講師お茶代              110円
      12月16日東京お茶会               8,931円
      12月16日東京懇親会費             25,190円
       2月24日分東京会場費             18,300円
       3月24日分東京会場費             18,300円
      事前打合せ・雑費等                14,680円
     
                
収支    41,295円=A(①-②)
 
☆ A  41,295円+603,560円(11月末残)=644,855円

上記 ご報告いたします。

財務報告は奥野代表の会計監査済です。

家族会事務局



自分の行動に責任を持ちましょう(1)

 
 ノン・ボーダーラインの人は、ボーダーの人の行動にどう反応するか、自分で決めることができます。
 騒ぎ立てなければ、相手の厄介な行動をなくせると考えるかもしれません。
 でもその時ボーダーの人に伝わるメッセージは、「うまくいったよ。もう一回やってみて」になるのです。

 ノン・ボーダーラインの人の中には、自分自身の責任を負うのが難しい人がいます。
 ボーダーの人の「みんな君のせいだ」という批判に、同意するように思えるのでしょう。
 しかしそれは知らないうちに、ボーダーの人の行動を繰り返す許可を与えているのかもしれません。

○二人の関係が如何にあなたのニーズを満たしているか
 二人の関係が全く否定的なものだけならば、あなたはただ立ち去っているでしょう。
 二人の関係には、何かあなたのニーズを満たしているものがあるはずです。

 多くの人は、ボーダーの人がとても面白く、愛嬌があり、明るく、機転が利き、魅力的だから一緒にいるのです。

 ボーダーの人の破壊的なところが前面に出てきたとき、あなたはいつか良いところが出てくると自分に言い聞かせてきました。
 ノン・ボーダーラインの人はマゾヒストではなく、楽観主義者なのです。
 問題さえなければ非常に良い関係を、手放すことができないのです。

○言い訳をしたり、ことの深刻さを否定しない
 希望を持ち続けることが大切です。
 誰にも良いところと悪いところがあります。
 でも希望には、現実的な見通しや変化の可能性が必要です。

 あるノン・ボーダーラインの人は、ボーダーの彼女とひどいトラブルがあっても、「完璧な人間なんていない。どんな関係にも問題はつきものだ」と言います。
 彼は彼女との関係を続け、自分自身の苦痛に対処するために、否認を用いているのです。
 しかし問題を否認しても、それは彼女の否定的な行動を可能にし、強化するだけです。

 どうして自分が彼女の仕打ちを容認するのか考えるために、友人のサポートや客観的な見方が必要です。
 ひどい目に遭っているにも拘らず、彼女との関係が大切なのはどうしてかを考えることも、彼には必要でしょう。

(次の記事に続く)

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

文責・稲本
 

平成24年11月現在の家族会財務収支報告

 収入   172,500円  (①)


  
  内訳 11月 3日東京家族会(33名×2,500円)   82,500円
      11月 3日東京懇親会              24,000円
      11月18日東京家族会(33名×2,000円)   66,000円
     

支出   127,552円  (②)

  内訳 11月 3日東京講師謝礼             40,000円
      11月 3日東京資料コピー費等          1,052円
      11月 3日東京懇親会費             47,350円
      11月18日東京講師謝礼             20,000円
      11月18日東京資料コピー              820円
       1月27日分東京会場費             18,300円
                
収支    44,978円=A(①-②)

☆ A  44,978円+558,582円(10月末残)=603,560円

上記 ご報告いたします。

財務報告は奥野代表の会計監査済です。

家族会事務局

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