ボーダーの子供は他の子とうまくやっていけず、叱っても何の効果もありません。
自傷他害など、生命に関わるような事件を起こして初めて、BPDとの診断を受けます。
ある親は自分の寝室に鍵をかけ、服のまま、枕の下に車のキーを忍ばせて寝ていたといい、生きた心地がしないでしょう。
でも暴力に対してはノーという権利があります。
・親はどのように感じるか
あなたの感情は大きく揺れ動き、無条件の愛が信じられなくなるくらい試されます。
子供が苦しむのを見るのが辛くて、心は何度も打ち砕かれるでしょう。
自分の子供に憎しみを感じるかもしれません。
愛情と憎しみの間には、恐怖,混乱,憤り,驚き,幸福,罪悪感などがあるものです。
どの親も、BPDの原因になることを自分がしたのか、それを防ぐために何ができたのか、と考えます。
親は子供の未来を信じています。
自分の残りの人生を、子供の手助けに費やすのだろうか?
子供を愛すれば愛するほど、彼らが巣立っていく日を待ち望んでいるのです。
・配偶者と分かち合うこと
BPDの子供のために結婚生活が破壊されかねません。
でも逆に強固になる可能性もあります。
二人が同じ方向を向いて、お互いを理解し合うことが重要です。
・最善を尽くす
よくある過ちは、子供をBPDということで責めたり、尚早な変化を期待することです。
でもBPDには生物学的基盤があることを忘れないでください。
子供に失敗から学ばせることと、保護してあげることの間の細い道のりを、歩んでいかなければなりません。
*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より
文責・稲本