○選択の余地のない関係
ボーダーの人の親,子供,兄弟姉妹がいる場合などは、決めるべきなのは、境界を設定して守ること,自分が押しつぶされないようにすることです。
その人とどれだけ接するか、どれだけエネルギーを費やすかなどに、境界を設けることができます。
一貫した手本と、ボーダーの人の行動に対する一貫した反応を示し、境界を強化してください。
関係が大きな苦痛をもたらし、相手に変化する気がないなら、一時的または永久に関係を絶つ選択肢もあります。
ex.
私はボーダーの息子のことに集中しすぎて、自分や夫や娘のことを見失っていた。
私は、息子が引き起こす混沌から身を引かなければならなかったの。
息子にはこの境界が不服だったみたいで、3年も連絡を絶ったの。
でも彼も、境界があっても何の関係もないよりましだって思ったみたい。
今はちょっと不自然だけど、何とかやっていけるの。
彼は私たちなしでも生きていけるって学んだ。
私も、息子を変えることはできないって認められるようになったの。
○癒しと希望
あなたが何を決断しようと、そこには希望と癒しがあります。
ひとつの関係が終わる際の癒し、愛する人がBPDから回復する希望です。
ex.
ボーダーの夫と離婚して10年、私は自分自身について沢山学んだ。
それまで避けてきたことや、認めようとしなかったことを。
前より意識的に生きてるわ。
彼を責めても意味がないし、状況が良くなるわけじゃない。
彼は私を傷つけた以上に、彼自身を傷つけてたのよ。
彼が感じていた孤独,恐怖、それが彼に対する私の怒りを鎮めてくれるの。
私は彼を見捨てた。酷い罪悪感を感じていたわ。
でもそれを手放さなくてはならなかった。
私は彼を助けられなかったけど、自分を破滅させることもできなかったのよ。
*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より
文責・稲本