(前の記事からの続き)
○医者の薬物"療法"依存
「魔法の薬」は患者の苦痛を一瞬緩和してくれるだけでなく、断崖絶壁に追い込まれた「医者の苦痛」も一瞬緩和してくれる
でも真の問題解決は先送り......
BPを診ている良い医者は孤軍奮闘しています。
患者からも何とかしてほしいと問い詰められ、つい薬を出してしまいます。
医者も患者と同じで、その場の苦痛から一時的に逃れるために処方をし、「薬物療法依存」になっているのです。
独りで苦しむことが悲惨なのです。
○薬物「療法」依存の医者は孤立している
援助希求能力が高い医者になれ
チーム医療が必要です。
一人の医者が背負い込むのではなく、各分野の専門家に役割分担することで、効果的な治療ができます。
数は力。
患者にとってもグループ療法は、同性の友だちやモデルになる人ができていいのです。
(異性の友だちはセックスで繋がっている)
本人の行為を叱責するのではなく、回数を減らす方法を一緒に考えましょう。
やらない約束はしない。約束をしても実行できないから、約束の効力がなくなります。
「こうしなさい」ではなく、「私はこうしてほしい」とIメッセージで伝えましょう。
望ましくないことをした時に罰を与えることと、望ましいことをした時に褒めること、どちらがいいと思いますか?
○BPDの新しい理解と援助の仕方
以前BPDは治療対象でなく、限界設定の対象でしたが、治療の対象とします。
治療者との接触に限界設定をしていましたが、治療者とのコンタクトを増やした方が問題行動が少なくなります。
"癖がつく"(治療者に依存する)というのは間違いで、相談できる環境を作ったほうがいいのです。
援助希求ができるようにします。
〔*松本俊彦先生講演より〕
(以上)
文責・稲本