○カップルセラピー
治療の対象は、患者自身やパートナー自身ではなく、二人の関係そのものです。
目的は、カップル間のコミュニケーション・スキルの改善です。
無効なコミュニケーションをやめ、批判,防衛,愚弄することを減らします。
BPDの人やパートナーは通常、セラピストが自分の肩を持ってくれることを期待します。
重篤なBPDで、自分の責任を考慮しない場合、カップルセラピーには限界があります。
ノン・ボーダーの人が自分を承認してもらえないと感じて、セラピーが状況を悪化させる可能性もあります。
なのでこのセラピーを始めるには最大限の注意が必要です。
もうひとつの問題は、多くの人が、危機で切羽詰まったときのみセラピーを始めることです。
差し迫った脅威がなくなり、ノン・ボーダーの人が再び関係に引っ張り込まれると、ボーダーの人の行動は以前の状態に戻ってしまいます。
従って最初の目標は、治療のモチベーションを確立することです。
どちらかでも治療に強制されていると感じるなら、決して一定のレベル以上には進歩しません。
○入院
BPDの人に他害自傷の危険があったり、重篤な症状がある場合に入院が必要となる可能性があります。
看護師と親しくなったり、精神科医と話すのが必要なこともあるでしょう。
重要なのは、本人に毎日会って状態を確かめ、本人と心配事について話をすることです。
患者の入院は皆さんにとっての休息でもあります。
入院は誰のせいでもなく、彼らは専門家のケアを受けているのです。
■BPDはよくなります!
治療法はひとつではありません。
タイミングが悪かったり、セラピストとの相性がよくないことはありますが、他でも援助が得られないという意味ではありません。
希望が存在し、実際によくなるということを知る必要があります。
文責・稲本