本人との話し合いは、何カ月にもわたるでしょう。
境界をイベントとしてではなく、プロセスと考えてください。
最初はひとつかふたつの境界でゆっくり始めましょう。
○安全第一
BPDの人を説き伏せようとするのは悪い考えです。
いつも安全第一です。
虐待的な振る舞いを大目に見てはいけません。
境界を設ける方法には幅があります。
その部屋から出ていくという方法も、救急車を呼ぶという方法もあるでしょう。
誰かが暴力的になったときには、身の安全を守ることが重要です。
目をつぶっては、事態をエスカレートさせるだけです。
○DEARテクニックを活用しましょう
BPDの人とのコミュニケーションのための、一連のスキルが「DEAR」です。
描写する(describe),表現する(express),主張する(assert),強化する(reinforce)の頭文字です。
共感的に認め、障害の生物学的理由,BPDの人が感じる羞恥心と恐れなど、すべて心に留めておくことは重要です。
描写(describe):
事実に基づき、感情的にならず、その状況を目にしたように述べてください。
表現しましょう(express):
その状況に何を感じているか、どう考えているか、はっきりと表してください。
主張しましょう(assert):
境界を簡潔に主張してください。
境界は小規模で、達成可能であるべきです。
この境界を繰り返し述べてください。
強化(reinforce)
適切なら、境界の利点を強化してください。
*「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」ランディ・クリーガー
〈監訳:遊佐安一郎〉(星和書店)より
文責・稲本