2016年10月アーカイブ

パーソナリティ障害の原因(おさらい)

 前回触れました、脳内の神経伝達物質について以下をご覧ください。

 

脳内の神経伝達物質の関与

特定の神経伝達物質の働きのバランスが崩れ、感情や思考、行動に偏りが現れる

神経伝達物質とは

脳内の神経細胞同士の情報伝達を促す物質。100種類以上あるが、パーソナリティ障害に関わりのある神経伝達物質はある程度特定済み。


1神経伝達物質

神経伝達物質名

ノルアドレナリン

セロトニン

ドーパミン

働き

(関わる部分)

意欲

不安

恐怖

精神の安定

睡眠周期の調整

覚醒

集中力

快楽

不足すると...

無気力

無関心

意欲低下

抑うつ

パニック発作

攻撃的に

集中力低下

感情・感覚の鈍化

無気力

これらの神経伝達物質の働きが悪くなった場合、精神が不安定になり、思考や行動に偏りが生じやすくなる↓

パーソナリティ障害の発症と関連

 

 原因探しと治療は別だという前回のおさらいです。以下をご覧ください。

 

原因探しと治療は別

原因が特定できても、それを取り除くことが出来るとは限らない


生まれつきの気質

幼少期の育てられ方

幼少期に遡って育て方を変えることは不可能

気質そのものを変えることは不可能


現実的な治療方法

患者さんが今、現実の問題にうまく対応する方法を見つけること

 

引用・参考文献:

「図解 やさしくわかるパーソナリティ障害」 牛島定信著 ナツメ社 2012110

 

文責:吉本

パーソナリティ障害の原因2

人間関係や生活環境

 幼いときの養育環境だけでなく、その後の生活環境や人間関係も、パーソナリティ障害の発症と大きく関わっています。例えば、学校や職場での人間関係につまずいている、仕事で自身の能力が十分に発揮できないなどの状況が元で大きなストレスを抱えると、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、パーソナリティ障害を発症しやすくなるのです。

 

社会状況や時代情勢

 時代と共に社会は変化していますから、その時々の社会状況が及ばす影響も無視できません。人々の価値観やものの考え方の変化により、パーソナリティの捉え方も変化していくからです。

 例えば、強迫性パーソナリティ障害は、規則や義務、秩序を重んじ、律儀に自分の任務や課題を遂行し、社会規範や道徳に反したことを忌み嫌うタイプですが、このようなきっちりした人は、今はあまり見かけなくなりました。

 日本社会が厳格だった昔とは違って、ルーズさが寛容に受け止められる現代では、規則をしっかり守ったり、地道に努力することが評価されにくくなってきています。

 このような社会であれば、厳格に振る舞う必要や義務感もなくなってきます。結果的に、責任感が強く、律儀なタイプの人は影を潜めていったのです。

 このように、時代の変化や価値観の変化により、パーソナリティ障害も変化するのです。同時に、ある時代背景や社会状況が、ある種のパーソナリティ障害を生みやすくしているともいえます。

 

原因探しは治療に直結しない

 どのような事柄が原因でパーソナリティ障害を発症したのかを探ることは、個々の患者さんの病態を正しく理解するためには必要なことです。しかし、原因探しが必ずしも治療の手助けとなるとは限らないことを心得ていく必要があります。

 例えば、パーソナリティ障害の原因がその人の生来の気質にあるとわかったところで、その気質を別の気質に変えることは不可能です。また、幼少期の親子関係をうまく築けなかったことに原因があった場合でも、時間を遡って赤ちゃんから親子関係をやり直すことも不可能なのです。

 パーソナリティ障害の場合、原因がわかったところで、それが治療に直結しないことが多いのです。

 ですから、原因は原因と客観的に受け止め、治療にあたっては、今の患者さんを現実的に、どのようにサポートしていくかという視点で取り組む姿勢が求められます。

 

 

引用・参考文献:
「図解 やさしくわかるパーソナリティ障害」 牛島定信著 ナツメ社 2012110

家族会の目的

ご家族の皆様へ

(家族会の定義)
「家族会とは、精神障害者を家族にもつ人たちが、お互いに悩みを
分ち合い、共有し、連携することでお互いに支えあう(会)です。
支えあいを通して、地域で安心して生活できるための活動を行なう」

(当家族会の運営資金について)
当家族会は会員登録制ではないので
年会費を支払う必要はありません。
参加したい定例会の日付・定例会会場・
立場・当事者との関係を記入してメールでお申込みいただければ
支援しているご家族と専門家の方であればどなたでもご参加いただけます。

ただし、年会費・補助・助成金は受けず、参加費のみで
家族会の運営を行なっていますので、
通常の家族会に比べると参加費が少しお高めとなります。
(運営資金には、会場費・資料代・講師の交通費&謝礼
 広告代・地方講演の交通費宿泊代・面談、打ち合わせに伴う費用
 スタッフの交通費・自治体宛の送付代・研修費 その他)に充てています。

(当家族会が提供している定例会のプログラムは
 大きく分けて6つの構成となっています)

1、基礎クラス
 (家族会の目的である家族同士で考え学びあうクラス)
  BPDの基礎について学ぶ
  新しい情報の提供(自治体の支援について・治療やカウンセリングの
           利用方法など・・・)
  グループワーク(家族同士で話し合い、問題解決を図る)
  交流分析
  芸術療法
  イメージトレーニング・タッピング
  *対応法・コミュニケーションの工夫・暴力の対処法
   自傷行為の対処法・お金の管理の仕方など・・・
   具体的なケースをお聞きしながら、問題解決を考えてゆきます。
   メールでお申込み
  講師 家族会代表 心理カウンセラー 奥野栄子
 (参加費) 各参加ごと お一人さま 2000円〜3500円

2、実践クラス(A)(2017年からスタート)
 (基礎クラスに参加した人が実践の基礎を講師から対応法を学ぶクラス)
  実践のベースとなる心のスキルアップ・トレーニング
 (認知行動療法・弁証法的行動療法がベース)
  WRAP(ラップ)(元気回復行動プラン) 等

  *ベースとなる実践トレーニング
   メールでお申込み
   講師 学芸大学准教授 福井里江先生
  (参加費) シリーズ化 一括払い 
       お一人さま
       1回4000円×5・6回=2万〜2万1千円

3、実践クラス(B)(2017年からスタート)
(基礎クラスと実践Aクラスに参加した人がより困難なケースに対応できるよう
 講師から対応法を学ぶクラス)
 *メールでお申込み
 講師 遊佐安一郎先生
  (長谷川メンタルヘルス研究所から臨床心理士がアシスタントに入ります)

(参加費) シリーズ化 一括払い
      お一人さま
      1回4000円×10回〜12回=4万〜4万8千円


4、特別講演会
  依存症・摂食障害・発達障害・BPDの専門家による講演会&質疑応答
  様々な専門家による講演会。
  寛解した当事者や家族によるリカバリートーク。
  *家族会に参加したことが無い方もお申込みいただけます。
   参加対象者 支援しているご家族・支援者・専門家
   メールでお申込み
 (参加費) 各参加ごと お一人さま4,000円

5、カウンセリング
  個別カウンセリング
  メールカウンセリング
  緊急時の場合のみ(電話カウンセリング)
  (具体的な対応法・医師やカウンセラーの紹介)
  *予約制
  (参加費)
  個別カウンセリング お一人さま   1時間      3,000円
  メールカウンセリング 1ヶ月    3回のやりとり   5,000円
  電話カウンセリング(緊急時のみ対応)   お一人さま 1時間 
                       3,000円〜5,000円

6、(詳細は基礎クラスで発表)
   BPD当事者の会は日本初となります。
   ついに実現します!
   講師 医師 
  
  (参加対象者)
   BPD当事者
   当事者と同行できるご家族
   専門家
   
  (内容)
  (前半)Dr.によるBPDについての話し(30分)
           グループシェア(1時間30分)
  (後半)Dr.による個別相談(お一人さま15分程度)
   (2017年から新スタート)
   *メールでお申込み
  参加費 各参加ごと お一人さま 前半3000円 後半1500円


(家族会の目的 基礎クラスがベース)
BPD家族会は上記の(1〜6番)の構成でサービスを提供しています。
どれも大事なプログラムですが、家族会の定義にあるように
家族会の本来の目的は(家族同士で語り合い、力をつける)ことです。

基礎クラスがその役割を果たしています。
(2〜5番)は専門家から学び技術的な面を学んでゆきますが、
(1番)の基礎クラスでは家族同士で話し合い、共に考え、知恵を出し合い、
ご家族の力で問題解決してゆくための力をつけてゆく時間となるので、
日常生活で生じている具体的なケースについて話し合い、対応について
考えるのが基礎クラスとなります。

基礎クラスは、実践クラスに進むための通過するクラスという
印象を持つ人もいらっしゃるのですが、決してそうではありません。
基礎クラスは本来の家族会の目的を果たすクラスとなります。
(話し合いを通して家族自身が知恵を出し合い、力をつけるためのクラス)

ご家族自身が力をつけることで、より実践クラスで学ぶスキルが
功を奏しますので、継続して基礎クラスにご参加することをお勧めします。


(専門家の皆様へ)
今年度の功労省の発表により、国立精神研究医療センター研修で話された内容
では、これまでの医療支援モデル形態から
今後、地域支援モデルへと移行してゆくであろうというお話がありました。
(詳細な情報は基礎クラスでご説明しています)
地域支援モデルには民間事業も含まれており、家族会もその役割を果たす
であろうと考えています。
BPD治療最盛期の頃に医師を志した先生方はとても熱心にBPDについて
研究していたようですが、現在の現場に立つ若手の専門家は興味があっても
BPDの対応法についてよく分かっていないというのが現状のようです。

今後、BPDに対応できる後継者を育てる必要性があると先生方は
考え始めています。

それで、BPD家族会では、力量のある専門家を講師としてお招きしており、
専門家の育成にも力を入れてゆきたいと考えています。
しかし、家族会は、これまでのような支援者と患者・家族という隔たりがある
支援ではなく、オープンダイアローグ「対話=対等」をベースにした
支援を築いてゆきたいと考えています。
BPDやBPDに合併する(発達障害・気分障害・ひきこもり・摂食障害・
PDSDなど含む感情調節が困難とされている疾患)の支援に関心のある
専門家の方々にも積極的にご参加いただき、支援チームの輪を広げてゆく
活動にご関心がある専門家の方がいらっしゃれば是非家族会にご出席下さい。

皆様のご参加を心よりお待ちしています。

BPD家族会代表
心理カウンセラー
奥野栄子














  
  
  
  

「カウンセリングのご予約について」

個人的な相談、より具体的な対応法、暴力の問題、お金の問題、
アディクションの問題、自傷行為の問題、学業・仕事が継続できない問題、当事者に適した病院選び、医療を拒否する当事者をどうすれば安心して医療やカウンセリングにつなげることができるのか?など、さまざまのご相談をご家族から受けます。

上記の問題解決に必要な情報や提案や対応法など
基礎クラスや実践クラスで提供していますが、
個々の方々のより具体的なご相談に関しては
時間の都合上、定例会の時間内(3時間)でご提供することは
限界がございます。

それで、家族会では、個々に応じた対応やご質問に関して
カウンセリングでお話をさせていただいています。

カウンセリングは有料となります。
お一人さま 1時間 対面カウンセリング 3000円
メールカウンセリング 1ヶ月3往復   5000円


当家族会は病院や専門家を単に紹介する支援グループではなく
ご家族自身が元気で健やかに生活をしていただき、
家族自身に力をつけてもらうための支援を行なっています。

*家族会に定期的ご参加してくださっている方。
 これまで家族会をご支持してくださったご家族の方。
 緊急性(命の危険性など)のあるご相談依頼
 であればカウンセリングはお受けしています。

*しかし、
 家族会に参加したことがない方で
 医療や専門家の紹介のみのカウンセリングを
 ご希望される方のご予約は承っておりません。
(家族会に参加していただくことが条件となります)

*当事者のカウンセリングは行なっていません。

(カウンセリングの流れ・予約・料金)
1、bpd_chair@yahoo.co.jpメールアドレス
  カウンセリングを受けたいと連絡を入れる

2、カウンセラー(奥野)とクライアントの都合の良い
  日時を決める(メールでやりとり)

3、カウンセリング会場のお知らせを奥野からメール送信
  (奥野からメールを受けとられたら、必ず折り返し返信してください。
   折り返し返信が無い場合、カウンセリング予約は未完了の状態です。)

4、メールカウンセリングは(振込み)
  振込み完了後、メールカウンセリング開始
 (1ヶ月 3往復(返信→受信で1回)5,000円)

  個別カウンセリングは当日の支払い
 (先に振込みしていただくこともございます)
  お一人さま 1時間 3,000円(年内の料金設定)

  当事者・家族の命が脅かされているような緊急性のあるご相談
  また、沖縄、北海道、四国など遠方にお住まいの方で
 (関東周辺・定例会開催地(名古屋・大阪)周辺は除く)
  面談カウンセリングを受けることが出来ない方は
  電話のカウンセリングを受付する場合もございます。
  お一人さま 1時間 3、000円〜5、000円

5、カウンセリング開催日から3日前までキャンセル可能
  3日以降のキャンセルは全額負担となります。

6、緊急性が高い方のカウンセリングを優先させていただくことがあります。

カウンセリングの担当は心理カウンセラー
奥野栄子がご対応させていただきます。
相談いただいた内容から必要と判断した場合
病院、信頼できる力量のあるカウンセラーを
こちらからリファー(紹介)させていただきます。
(病院・カウンセリン・専門家のご紹介が必要であればご相談にのります)

家族会で提供しているカウンセリングは、医療、カウンセラーの紹介
さらに、対応法、問題解決の工夫など対処法などお伝えしていますが
家族会は病院機関ではございませんので、治療行為は行なっていません。
医療や治療が必要な場合はリファー(紹介)させていただきます。

(カウンセリング予約開始)
10月14日(金)9時〜12時(セ和)
10月17日(月)午前9時〜12時 午後1時〜3時 午後
         4時〜6時(産業)
10月18日(火)午後4時〜午後6時(産業)
10月20日(木)午後1時〜午後3時(産業)
10月24日(月)午前9時〜12時 午後4時〜午後6時(セ)
10月25日(火)午後4時〜午後6時(産業)
*先着順となります。予約が埋まり次第終了となります。

BPD家族会代表
心理カウンセラー
奥野栄子




このアーカイブについて

このページには、2016年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2016年9月です。

次のアーカイブは2016年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

home

家族会掲示板(ゲストプック)

家族会 お知らせ・その他

本のページ