パーソナリティ障害と関連する障害を下表にまとめました。また、発達障害とパーソナリティ障害の関連についても触れておきます。
表1パーソナリティ障害と関連のある疾患
疾患名 |
概要 |
合併・進展しやすい パーソナリティ障害 |
うつ病 |
・気分の沈み、憂うつ、疲労感の増大、興味や意欲の著しい低下する病 ・無価値観、罪悪感を伴う ・自殺に至る場合も |
・パーソナリティ障害全般 |
双極性障害 (躁うつ病) |
・気分の高揚する躁状態と、落ち込むうつ状態が交互に、混同して現れる病 |
・サイクロイド・パーソナリティ障害 ・サイクロタイパル・パーソナリティ障害 |
統合失調症 |
・思考・情動・意欲などの人格に障害が起こる病 ・妄想や幻覚の陽性症状、感情鈍麻、社会的孤立などの陰性症状を伴う ・症状の現れ方には個人差が |
・妄想性パーソナリティ障害 ・スキゾイド・パーソナリティ障害 ・スキゾタイパル・パーソナリティ障害 |
妄想性障害 |
・誤った思い込みに囚われ、その思い込みを変えることが出来ずに、別の妄想へと発展していく障害 |
・妄想性パーソナリティ障害 |
不安障害 |
・強い不安により様々な心身症状(激しい動悸・震えなどの発作)が発生 ※パニック障害も該当 |
・パーソナリティ障害全般 |
強迫性障害 |
・強迫観念と強迫行為にとらわれ、その考えや行為をやめれなくなる障害 |
・自己愛性パーソナリティ障害 |
摂食障害 |
・食事量が極端に減る拒食、無茶食いを繰り返す過食の症状があり ・若い女性に多い傾向があり |
・境界性パーソナリティ障害 ・スキゾタイパル・パーソナリティ障害 |
アルコール依存 薬物依存 |
・大量の飲酒が習慣化しアルコール依存症になる ・薬物も常習化し薬物依存にも |
・反社会性パーソナリティ障害 |
発達障害とパーソナリティ障害の関連
発達障害とパーソナリティ障害は症状が似ており、見分けにくいことがある
発達障害 |
先天的な脳障害により発症する |
パーソナリティ障害 |
先天性の障害ではなく、養育環境なども関与し、青年期までに発症する |
診断基準では合併診断されることはない
しかし・・・
発達障害から二次的にパーソナリティ障害の症状が現れたケースでは、発達障害の治療と併用して、パーソナリティ障害への対応に準じたアプローチが必要
引用・参考文献:
「図解 やさしくわかるパーソナリティ障害」 牛島定信著 ナツメ社 2012年1月10日
文責:吉本