2018年1月アーカイブ

高血圧、動悸、下痢、便秘、食欲がない、頭が痛い、肩こり、生理不純、
あがり症、無気力、不眠、落ち込み、イライラなど、ここにあげた症状の
ひとつひとつは、どれも特殊なものではありません。
ちょっとした風邪をひいたり、無理をして体調を崩したときなど、誰にでも
現れるありふれた症状です。

では、「ありふれた症状」と「心の病気」の境目は、いったい
どこにあるのでしょうか?実は、専門家でもなかなか見分けることは
容易ではないと言われています。

あえて見分ける方法として、1つめは、現れる症状の「数」が多い。
2つめは、辛い症状が5年、10年と何年も長く続いている。
(1〜2週間程度なら一時的に体調を崩しているだけなのかもしれません)

辛い症状を治すために、最初は内科、神経科、鍼灸・健康食品、指圧・
カイロプラクティック・場合によっては精神科まで
回って、自分でいいと思うものは、何でも試します。
治療の為に多くのお金を費やすことになります。
それでも治らず長年苦しみ続けます。

しかし、患者さんの多くはこれだけの症状に苦しみながらも
「その原因が心と関係しているとは夢にも考えない」ことが多いようです。

もし、眠れないという理由だけを取り上げて「睡眠薬」だけ
処方してもらっていたらどうなるでしょうか?
おそらく、薬の力で眠ることはできても、病気は続いている場合が
多いでしょう。

自律神経失調症の場合、動悸、圧迫感、息が詰まる、涙が出る
口が乾く、胃の調子が悪い、吐き気がする、喉が締め付けられる、
のぼせる、頭が重い、偏頭痛、慢性肥料、肩こり、しびれ、ふらつき、
神経性皮膚炎、耳鳴り、まぶたのピクピク、微熱など、これらの症状は
自律神経失調症として分類されています。

加えて、精神的なものもあらわれることがあり、
閉所恐怖、乗物恐怖、落ち込み、脅迫概念、強いこだわり、記憶力の低下
、イライラなどさまざまなものも現れます。

精神的なもの(脅迫概念が強い・こだわりが強い・閉鎖高所恐怖・乗物恐怖・
その他)精神的なものは人の目を心に向けさせやすく、
心に原因があるのでは?と考えます。

患者さんの多くは単に身体的に疲れていて眠れないと考えて内科を
訪れるます。その原因が心と関係していると考えないのです。

パニック発作で鼓動が強く出た場合は、循環器科、胃や腸の調子が
悪いと、消化器科。不眠などがあれば神経科を尋ねることがほとんどです。
しかし、対外の場合、検査を受けてもハッキリした原因が分からないと
いう結果を受け途方に暮れます。それもそのはずです。
何故なら、体に異常があるわけではないからです。

そんな時につけられるのが「自律神経の乱れ」とか「更年期障害」
「生理によるホルモンの関係」という名を告げられることがほとんどです。

そして、処方されるのが、たいてい精神安定剤が処方され、
その他の症状に応じて、つらさを和らげる薬を服用することになってゆき
ドンドン薬が増えてゆくという流れになりやすいのです。

しかし、そうした医療薬物の目的は症状を抑えることが目的であり、
何かの症状を軽減することできても、心理的な原因から起こる病気を
治すことはできないのです。

病気が改善しない。症状が軽くなっても別の症状がでる。
そうなると、病院や医師を変えたくなります。
そのため、あちこちの病院やいくつもの心療科を巡り歩きます。
それでも、治らないのです。なぜなら、症状を引き起こす心まで変える
ことはできないからです。

このつらさが「心と関係している」と認めることができれば
次のステップに進みやすいのですが、そうではなく「身体が悪い」と
考えると10年20年たっても変化することができずにいます。

大事なのは、症状が現れる「要因」や「きっかけ」を掴むことが
大きな鍵となるのです。

次回は、心のアプローチで体の症状が消える点についてお伝えします。

参考資料 「自刎で治す・不安症・自律神経失調症」

(追記)
*パーソナリティ障害や感情調節のご本人さまだけでなく
 サポートしているご家族も自分のこととして当てはめて
 自分の身体と心と向き合っていただければと思います。

*感情調節困難の方々の障がいに至った要因は
 生物学的要因・環境的要因・社会的要因・心理的な要因が
 複雑に絡み合っているので、決定的な治療法はありません。
 心理療法として行動療法・認知療法・メンタライゼージョン・
 薬物療法・個人精精神療法・アンガートレーニング・森田療法
 (その他)など多角的に組み込み、生活の質の向上や症状の安定を
 測ってゆく治療となります。

BPD家族会代表 奥野栄子
 










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